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[社説] 進まない性接待捜査、権力の顔色を見ているのか

登録:2013-03-27 21:21 修正:2013-03-28 10:11

 警察の性接待ロビー疑惑事件捜査が難航しているという。キム・ハクィ元法務次官を接待したと警察で話したとされていた女性が陳述をひるがえした上に、確実な物証とみてきた動画について国立科学捜査研究院が「人物を判定することはできない」と明らかにし、捜査が壁にぶつかったというのだ。警察は事件の核心人物である建設業者のユン氏に対する口座追跡や押収捜索も行っていない状態だ。元法務次官が関わった事件であるため、令状申請過程で捜査内容が検察に流出する可能性を憂慮したためらしい。

 しかし警察のこのような話はほとんど説得力がない。捜査状況を見ても、21日にキム次官が電撃辞退した後は動画の分析以外にはこれといった進展がない。事件自体が複雑ではなく、過去の告訴にともなう基礎調査までなされた点に照らしてみれば非常に異例だ。警察自ら政治的な判断をしているか、外部の要請がなければ有り得ないことだ。

 事件の性格も変な方向に流れている。今回の事件は性接待疑惑に関心が集中しているが、その裏にかくされた本質は、やはり権力の不正と言える。ユン氏が豪華な別荘を用意し有力要人を呼び入れたこと自体が、ロビー活動のためでないなどとは想像しがたい。 監査院の元高級要人に対するマンションの安値分譲疑惑や、ゴルフ場事業許認可関連の疑惑など報道を通じて指摘されている疑問は一つや二つではない。ソウル龍頭洞(ヨンドゥドン)のテナント付集合住宅の分譲と関連して70億ウォンを引き出したという告訴事件をはじめ、20件余りの刑事事件でユン氏が全て無嫌疑処分を受けたことも怪しい。性接待が具体的にどのように、どの線までなされたかはまだ確認されていないが、不当な要請のためでないならそのような赤面するような接待をする必要がないことは言うまでもない。

 警察はこの事件以外に国家情報院の政治介入疑惑事件も捜査中だ。すでに4ケ月以上ずるずると長引かせており、権力の顔色を見ているいう批判を受けている。 李明博政府時の検察の信頼墜落のあおりで、捜査権論争で警察が多少有利な立場に立っているのも事実だ。しかし政治権力がかかわった事件を処理する警察の態度を見ていると、残念なことこの上ない。

 性接待ロビー疑惑事件は朴槿恵政府の人事の失敗の中でも最も致命的だ。それだけに外圧の可能性が高くならざるをえない。警察捜査が遅々として進まないまま、権力の影響を憂慮する声が少しずつ出ている。 「やはり警察はどうしようもないな」 と言われたくなければ‘腹の据わった捜査’が必要だ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/580013.html 韓国語原文入力:2013/03/27 19:18
訳T.W(1187字)

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