韓国陸軍のヘリコプターが京畿道漣川(ヨンチョン)の南北境界地域で、山火事の消火活動中に非武装地帯(DMZ)に進入した。
5日、軍当局の説明によると、先月23日、京畿道漣川の最前線地域で発生した山火事の鎮火に投入された陸軍所属のヘリコプター「スリオン(KUH-1)」1機が、消火活動中に誤って非武装地帯の内部まで進入した。このヘリコプターは、DMZへの進入に必要な国連軍司令部(UNSC)の事前承認を得ていなかったという。韓国初の国産ヘリコプターのスリオンは、兵員輸送と物資空輸任務を担う機動ヘリコプター。山火事の消火活動に投入された当時は、武装していなかったという。
軍当局は国連軍と共に、このヘリコプターがDMZに進入した経緯や軍事境界線を越境したかどうかを調査している。当時、北朝鮮軍はこれっといった反応を示さなかったという。南北軍当局間の通信チャンネルが維持されていた時代には、韓国がDMZの山火事を鎮火するため、ヘリコプター投入を要請すると、北朝鮮が同意するケースもあった。現在、南北の軍当局間の通信はすべて途絶えている状態だ。
過去にも南北境界地域を飛行していた航空機が誤ってDMZに入ったり、軍事境界線を越えたりする事例が起きてきた。航空機の速度が速いため、境界地域を飛行中に一瞬誤って1〜2分ほどDMZに進入する場合もあった。
2019年4月22日、江原道華川(ファチョン)の民間人統制線北部地域での山火事の鎮火に投入された森林庁のヘリコプター1機が、軍事境界線の北部1.7キロメートルまで飛行した後、1分後に帰還した。当時、韓国軍は国連軍事停戦委員会に直ちに報告し、西海軍通信線を使って北朝鮮側に「謝って軍事境界線を越えた偶発的な状況だった」と通知した。
2005年1月には、在韓米軍所属のヘリコプター「ブラックホーク(UH-60)」1機が軍事境界線から2キロメートル南の南方境界線付近を飛行中、韓国軍の哨兵が警告射撃した信号弾を見て初めて南に引き返したことがある。
1994年12月には、在韓米軍の偵察ヘリコプター(OH-58C)が江原道麟蹄(インジェ)で軍事境界線を越えて北朝鮮領空に進入し、北朝鮮軍が発射した対空兵器に撃墜された。米軍パイロット2人のうち1人が死亡し、捕らえられた1人は米国へ送還された。当時は大雪で地形の判別が困難だったうえ、ヘリコプターのパイロットが部隊に配属されて間もなく、地理に不慣れだったため、誤って軍事境界線を越えてしまったとされている。