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旧統一教会、「韓国大統領選資金疑惑」で最高指導部が大規模交代

登録:2025-08-19 07:35 修正:2025-08-19 08:39
尹錫悦前大統領夫人のキム・ゴンヒ女史と旧統一教会本部/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領候補への支持や大統領選への資金提供など、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の教団レベルでの大統領選支援疑惑について、特別検察(特検)が捜査に着手したことを受け、旧統一教会で主要指導部の大幅な解任・交代となる大規模な人事が行われたことが18日に確認された。

 この日のハンギョレの取材によると、旧統一教会の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁は先週末、旧統一教会内の最高位の行政組織「天務院」副院長のC氏や中央行政室長のL氏など、最上位の指導部を解任した。また、野党「国民の力」の地方組織に大統領選挙資金を提供した疑惑が浮上した元地区長(地域単位の責任者)に対する人事措置も同時に実施されたことが分かった。人事対象者は主に、家庭連合韓国協会長や天宙平和連合(UPF)会長などの教団の幹部だ。今回の人事は、総裁が口頭で発表して確定したが、現時点では公文書は発行されていないため、今後変更される可能性もある。

 信者らの間では、旧統一教会による尹錫悦大統領夫人のキム・ゴンヒ女史への請託疑惑が、大統領選挙資金の捜査にまで拡大したことで、特検チームの捜査に対する危機感が高まり、教団レベルで「しっぽ切り」をはかったのではないかと分析されている。

 特検チームは、教団の指導部である各地域の地区長が、2022年3月の大統領選の前に、国民の力の地方組織の委員長らに現金で約2億ウォン(約2100万円)を提供したという供述を得て捜査を進めている。これに先立ち特検チームは、ユン・ヨンホ元世界本部長が国民の力のクォン・ソンドン議員に「尹錫悦候補のために使ってほしい」として1億ウォン(約1000万円)の資金を提供した事実関係も把握した。クォン議員は2022年2~3月、京畿道加平(カピョン)にある天正宮を訪問し、韓総裁から紙袋を2回受け取ったという疑いも持たれている。

 旧統一教会のある幹部は、今回の人事についてハンギョレに、「不正や腐敗だけでなく、大統領選挙資金にまで問題が拡大していることについて、(指導部が)解決策を見いだせずにいるため、責任を問われたものとみられる」と評した。これについて、旧統一教会側は「公に確認してお伝えすることはできない」と述べた。

 特検チームはこの日、請託禁止法・政治資金法違反、業務上横領などの容疑で、ユン元本部長を拘束起訴した。ユン元本部長は、2022年4~8月に「コンジン法師」ことチョン・ソンベ氏を通じてキム女史に6000万ウォン(約640万円)台のグラフのダイヤモンドのネックレスやシャネルのバッグ2個などを渡し、その見返りに、旧統一教会の懸案の解決を請託した疑いを持たれている。特検チームは、ユン元本部長をクォン議員ら「尹核関」(尹前大統領の核心的な側近)につないだと目されている世界日報のユン・ジョンロ前副会長も呼び出し調査を行った。さらに、特検チームは統一教会による組織的な「国民の力」への党員加入疑惑を確認するために、旧統一教会信者の名簿と国民の力の党員名簿の照会に協力するよう党側に要請した。

キム・ガユン記者、パク・チヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1213900.html韓国語原文入力:2025-08-18 22:11
訳M.S

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