【独自】「韓国の大物野党政治家、旧統一教会総裁から金品入り紙袋を受け取った」
「国民の力」のクォン・ソンドン議員に不法政治資金1億ウォン（約1千万円）を渡した疑いなどで拘束された世界平和統一家庭連合（旧統一教会）の元高位幹部が、「クォン議員に韓鶴子（ハン・ハクチャ）総裁が金品の入った紙袋を渡した」という趣旨でミン・ジュンギ特検チームに陳述したことが確認された。特検チームは、紙袋に大統領選挙資金名目の現金が入っていたとみて、捜査を進めているという。
5日のハンギョレの取材の結果、旧統一教会の前世界本部長のY氏は特検の取調べで、クォン議員が2022年2～3月に韓総裁が住んでいる京畿道加平郡（カピョングン）の天正宮を2回訪問し、紙袋を受け取ったと陳述したことが把握された。Y前本部長は特検で、「韓総裁がクォン議員に紙袋を渡すのを見た」とし、「（クォン議員が）ハン総裁にクンジョル（ひざまずいて頭を深々と下げる最も丁寧なお辞儀）をして（紙袋を）受け取った」と供述したという。特検チームは、クォン議員が天正宮を訪問した時期が2022年の大統領選挙前後という点で、クォン議員に現金を含む金品が渡された可能性があるとみて捜査を進めている。
特検チームは、「コンジン法師」ことチョン・ソンベ氏に「キム女史への請託用」の金品を渡した疑惑を受けているY前本部長が、2022年1月5日にクォン議員に現金1億ウォンを供与した疑惑についても具体的な証拠を確保した状態だ。Y前本部長の拘束令状には「Y前本部長がクォン議員に尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領選候補のために使ってほしいという趣旨で、現金1億ウォンを渡した」という趣旨の内容が書かれたという。Y前本部長は現金を渡した後、クォン議員に「尹錫悦候補のために使ってほしい」というショートメールも送ったことが分かった。特検チームは、Y前本部長から1億ウォンを渡した経緯について、「韓総裁の決定と指示によるもの」という供述も確保した。旧統一教会は教団レベルの関連性を否定しているが、特検チームはY前本部長がクォン議員に渡したという1億ウォンも、旧統一教会の資金とみて捜査している。
特検チームはまた、韓総裁を含む旧統一教会指導部の海外ギャンブル疑惑の捜査情報を伝えたという疑惑を受けている「尹前大統領の核心関係者」（側近議員）もクォン議員だと特定している。特検チームは、クォン議員が尹前大統領と旧統一教会をつなぐ役割も果たしたと疑っている。これに先立ち、尹前大統領が大統領選候補時代、旧統一教会の関連団体の斡旋でマイク・ペンス元米副大統領に会い、これをクォン議員が主導した情況が明らかになった。
韓総裁がクォン議員に直接金品を渡したという疑惑について、旧統一教会側は「不法な後援をした事実はない」とし、「その他の事項については特検の捜査が進められているため、対応できない」と述べた。ハンギョレはクォン議員に釈明を聞くために電話をかけ、ショートメールを送ったが、返事はなかった。これに先立ち、クォン議員は1日「統一教会とは金銭取引はもちろん、請託や組織的連係などいかなる不適切な関係も結んだことがない」と述べた。
訳H.J
