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医学部のある韓国の大学40校「休学認めない」…除籍された場合、再入学は不透明

登録:2025-03-20 06:50 修正:2025-03-20 07:53
除籍による欠員には編入生の募集を検討
19日、ソウル市内のある大学の医学部の様子/聯合ニュース

 韓国で医学部のある大学40校は、医学部生たちの同盟休学届を認めない方針を決め、授業に復帰しない学生たちを対象にした留年・除籍処理の準備に入った。また、政府と大学当局は除籍による欠員は編入学で埋められるとし、医学部生たちの復学に圧力をかけた。医学部生たちは依然として復学する動きはないが、一部ではひとまず復学してから、授業を拒否しようという声があがっている。

 19日、医学部のある大学の総長の会「医学部先進化のための総長協議会」(医総協)は懇談会を開き、医学部生たちの休学届を今月21日までに差し戻すことで合意した。医総協はまた、留年や除籍などの理由が発生すれば、学則どおり処理する方針を再確認した。

 各医学部の授業納入期限は、21日の慶北大学や高麗大学、延世大学を皮切りに、24日にはカトリック大学、全南大学、27日にはソウル大学、釜山大学など今月末に集中している。期限前に授業料を納入しなければ、休学が認められなかった医学部生は除籍処理となる。今後の救済策は事実上ない。大多数の大学には除籍後に再入学できる学則があるが、定員の欠員がある場合だけ可能なためだ。医学部生たちが復学しなくても、来年度の定員が5058人で維持された場合、予科1年生(韓国の医学部では入学から2年間を「予科1~2年生」、3~6年間を「本科1~4年生」とする)として再入学しなければならない2024年度と2025年度入学の学生たちが戻ってくる場所はない、というのが政府と大学関係者たちの説明だ。

 さらに、一部の大学は大規模な除籍に備え、編入学を通じて欠員を埋める案も検討中だ。国内外の4年制大学で2年生以上履修した学生が医学部に編入する場合、本科1年生または予科2年生として入ることになる。医学部教育は計6年課程だが、1・2年生の2年間は主に教養授業を中心としており、以前の大学で勉強した課程が予科課程として認められる。政府も編入学は各大学で定めた資格を満たせば、大学の自主的な判断に任せると説明する。大学総長が「編入学カード」まで考えるのは、医学部生たちの復学に向けての圧力であるのはちろん、医学部生の授業料収入の減少にともなう経営上の困難のためとみられる。教育部の関係者は「現在、大学は他の学部の授業料で医学部を運営している状況」だとし、「他の学部の学生たちがこれについて抗議しており、困難を訴える総長たちもいる」と語った。

 このために、被害が2024年度と2025年度入学の医学部生たちに集中するという声もあがっている。3月末の復学を前提にした政府案どおりなら、彼らが分離教育を受けて卒業した後は、医師国家試験と専門医資格試験などの日程が調整されるだろうが、そうでない場合は今後、専門医の研修過程などで両年度の学生同士が競争しなければならなくなる。大規模な除籍が発生した場合も同様だ。医学部を有するある首都圏外の国立大学の総長は「本科生たちは除籍されても学校に戻れるし、本人が望めば編入もできるが、2024年度と2025年度入学の予科生たちはそれができない」と語った。

 政府と大学の強硬策にもかかわらず、医学部生たちの復学の動きはまだ見られない。ただし、医学部生のオンラインコミュニティなどには、除籍だけは避けるためひとまず授業料を収めてから、授業を拒否しようという意見が出ている。この場合は留年して学校に籍を置くことができる。この他にも医学部生たちの間では「大統領の弾劾が認容され、新政権が発足すれば、状況が変わる可能性がある」などの話も飛び交っている。ひとまず、最も早い21日に復学の期限を迎える高麗大学、延世大学などの医学部生たちの動きが、他の大学の学生たちにも影響を及ぼす見通しだ。

イ・ウヨン、シン・ソユン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/1187743.html韓国語原文入力:2025-03-2001:32
訳H.J

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