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韓国地方選挙、犯罪者の元大統領たちの奇怪な選挙運動【コラム】

登録:2026-06-03 02:43 修正:2026-06-03 09:09
ソン・ウォンジェ|論説委員
5月31日に大邱の西門市場を訪れた朴槿恵元大統領(左の写真)と、同日に釜山の海雲台市場を訪れた李明博元大統領/聯合ニュース、共同取材写真

 目と耳を疑うような奇怪な光景が今回の地方選挙で繰り広げられている。保守野党「国民の力」系の元大統領たちが連日、選挙を引っかき回しているのだ。

 朴槿恵(パク・クネ)元大統領は大邱(テグ)の七星市場を皮切りに忠清道を経て釜山(プサン)、蔚山(ウルサン)、慶尚南道を回り、江原道を経て再び大邱の西門市場で国民の力の候補の支持演説をおこなった。李明博(イ・ミョンバク)元大統領もソウル→釜山→ソウルを行き来しながら、国民の力の候補者に投票してくれと援護射撃に乗り出した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領はおとなしくしているだろうか? すでに「ユン・アゲイン」候補たちが至る所にいるうえ、何より12・3戒厳を宣布したにもかかわらず「神の計画がある」と尹前大統領をあがめる国民の力のチャン・ドンヒョク代表が、指示されてもいないのに尹元大統領の言いそうなことを次々と口にしているではないか。

 誰もが知る通り、彼らはただの元大統領ではない。それぞれが2~3行では要約できない大罪を犯し、重刑を宣告された犯罪者たちだ。一部の人々は、文在寅(ムン・ジェイン)元大統領も2024年の総選挙で共に民主党の候補の支持活動をおこなったではないかと反論する。憲政史に汚点を残し、罪を犯して断罪された元大統領と正常に退任した元大統領との決定的な違いを度外視した主張にすぎない。

 朴元大統領は国政壟断、収賄、候補公認への介入などで懲役22年が確定し、史上初めて弾劾された大統領だ。任期中は比類なき無能さと怠慢さで大韓民国を衰退の道へと追いやった。その無能さと怠慢さに肩を並べる対象が現れたのは、尹錫悦が大統領に就任してからのことだ。

 李元大統領は94億ウォンの収賄、252億ウォンの横領などで懲役17年、罰金130億ウォン、追徴金57億8000万ウォンが確定している。名義を借りて所有していたダースの資金の横領、ダース関連の訴訟費用を立て替えてもらうなど、個人の私益のために巨額を着服したため、罪の悪質さは朴元大統領を上回る。

 尹前大統領については、もはや説明は必要ないだろう。韓国刑法で最も重い大逆罪に当たる内乱罪で無期懲役を言い渡され、現在は二審の審理が行われている。在任中、朴槿恵と互角の無能さと怠慢さを露呈したが、極度のアルコール乱用と、配偶者の裏での専横までもが加わり、総合的には最悪の国政運営で国を潰しかけた。

 このような犯罪者3人組が今、この国の野党第一党の選挙運動をもてあそんでいる。正常ではない。

 責任の半分は元大統領たちにある。とりわけ、自ら自由に国中を引っかき回し、分裂の言葉を大放出している李明博、朴槿恵の二人の元大統領は、責任を痛感すべきだ。二人とも多くの国民の反対にもかかわらず、政治的理由で恩赦され、相応の代償を支払う前に釈放されたにすぎない。決して犯した罪が消えたわけではない。自己客観化能力が少しでもあるのなら、深く反省し自粛すべきだ。だが、まるで無実の罪を着せられた犠牲者であるかのように厚かましく振舞っている。

 この機会に政治的地位を回復しようという欲望さえも露骨にあらわにしている。朴元大統領の側近のユ・ヨンハ議員は「魯山君(ノサングン)から復位した端宗(タンジョン)のように、うそと謀略ではめられた枷(かせ)は必ず外され、元の座に復位するだろう」と述べた。相次ぐ弾劾で行き場を失った保守支持層の過去回帰を望む感情を、罷免された元大統領の影響力を復活させるための燃料として利用しているのだ。李、朴の二人の元大統領の罪さえも相対的に大したことのないように思わせてしまった尹前大統領の罪も重い。

 責任の残りの半分は、犯罪者の元大統領たちを選挙の場に呼び戻した「国民の力」とチャン・ドンヒョク代表が取るべきだ。チャン代表は、「ユン・アゲイン」基調だけでは地盤である大邱や釜山、蔚山、慶尚南道さえも危いとみて、政治的にはすでに死亡宣告を受けている李と朴を棺おけの蓋を開けてよみがえらせた。「どうせ全国的な惨敗が避けられないのなら、大邱と釜山、蔚山、慶尚南道の一部だけでも守って史上最悪の『15対1』の惨敗だけは免れなければ、代表職も保てない」と計算したのだろう。このような予想が正しいとしたら、私益のためにゾンビを召喚することもためらわない、ホラー映画に出てくる「マッドサイエンティスト」的な発想と何ら違いはない。

 二つの欲望の結託は、今回の地方選挙をどこへ導くのだろうか。古びた地域主義と極右の混合が依然として南東部のいくつかの地域を政治的に掌握することになるのか、それとも審判されて交代するのか。前者であれば、私たちは李明博、朴槿恵の政治的復権に続いて「ユン・アゲイン」が爆発的にうごめく可能性も、恐れを抱きつつ念頭に置く必要があるかもしれない。選択するのは私たちだ。それぞれの願いを抱いて投票所に行く人数の多い方が勝利するだろう。

//ハンギョレ新聞社

ソン・ウォンジェ|論説委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1261549.html韓国語原文入力:2026-06-02 16:27
訳D.K

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