いわゆる「5大病院」(主要上級総合病院)をはじめ、全国の主要大学の医学部教授たちが外来診療と手術を週1回行わないことにする案を決定、あるいは検討している。医療空白の長期化で救急医療システムの中枢である圏域救急医療センターの運営に「赤信号」が灯ったにもかかわらず、医学部の教授たちまで集団行動に参加している。患者は医学部教授の休診決定に「死を宣告するようなもの」だと批判した。
「5大病院」と呼ばれるソウル大学・セブランス・ソウル聖母・ソウル峨山・サムスンソウル病院を付属病院とするのは、ソウル大学をはじめ延世大学、カトリック大学、蔚山大学、成均館大学の5大学の医学部だ。ソウル大学医学部・病院教授協議会非常対策委員会(非対委)は、30日に休診するのをはじめ、周期的な休診も考慮していると24日に発表した。延世大学医学部非対委は同日、週1回の休診などを含む案件で教授会議を行っており、カトリック大学医学部非対委は26日に休診するかどうかを決める計画だ。成均館大学医学部非対委は同日、教授たちに週1回の休診日を決めて休息を取るよう呼び掛ける勧告文を出した。これに先立ち、蔚山大学医学部非対委は23日に「週1回の休診」を決議した。
全国各地の医学部も週1回の休診に合流している。この日、慶尚国立大学医学部・病院教授会非対委は「30日に手術と外来診療を休診する」と発表した。これに先立ち、22日には忠南大学病院・世宗忠南大学病院非対委が、23日には円光大学医学部非対委が「週1回の休診」を決議した。忠北大学病院と釜山大学病院非対委所属の教授たちは、すでに個別に診療を減らしているという。啓明大学医学部の教授たちも、今月中旬から毎週土曜日に休診していると明らかにした。
医療現場では混乱が生じている。教授たちが休診を決めた病院の一部では、患者に「正常な診療を予定」していると説明している。忠南大学病院は23日、非対委が発表した金曜日の休診が「病院側の公式の政策ではなく、正常に診療を行う方針」だと明らかにした。円光大学病院の関係者も同日、ハンギョレに「休診は非対委の立場であり、病院の原則は正常な診療を維持すること」だとし、「数カ月前から予約されていた診療などが(教授たちの休診決議で)突然取り消されるのはありえないこと」だと語った。
患者の懸念はさらに高まっている。韓国がん患者権益協議会はこの日、声明を出し「上級総合病院が週1回の手術と外来診療を止めるのは、がん患者に死を宣告して闘病の意志をくじくもの」だとし、「週1回の診療停止発表の即刻撤回」を求めた。
さらに救急医療現場は非常事態となった。保健福祉部は同日、圏域救急医療センター43カ所中の重症救急疾患(27カ所)のうち、18カ所が一部の疾患に対する診療制限のメッセージを出したと発表した。診療制限メッセージは、救急救命センターの処置後、後続診療が不可能であることを意味しており、中央救急医療センターの総合状況板に表示される。専攻医の集団行動の初期である3月の第1週には、10カ所が診療制限メッセージが出したが、同月の最後の週には14カ所に増えた。その後、13~16カ所の水準だったが最近また増えたということだ。専攻医の離脱に続く医学部教授の診療縮小などによる影響のためだ。圏域救急医療センターは、重症救急患者中心の診療と災害対応のための拠点病院の役割を果たす。
ただ、一部で懸念している「最悪の医療混乱」までは進まないというのが大方の見通しだ。全羅北道のある大学病院の教授は「非対委などで週52時間以内に診療を縮小すると言った後も、現場でこれを実際に適用するケースはほとんどなかった」と語った。すでに教授たちが休診中の忠北大学病院の関係者も「教授たちは金曜日に予定されていた外来診療を完全に取り消したのではなく、他の曜日に移す方法などで週1回休診に参加している」と話した。