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梨泰院惨事の遺族、韓国与党を糾弾「梨泰院真相究明が北朝鮮の指令だとは…」

登録:2023-09-08 23:56 修正:2023-09-09 00:52
故キム・ウィジンさんの母親、インタビューで「耳と口が汚れるだけ」 
遺族がキム・ギヒョン、パク・デチュルら国民の力指導部糾弾声明
先月31日、国会行政安全委員会で「10・29梨泰院惨事の真相究明と再発防止および被害者の権利保障のための特別法案」が可決された。遺族らは記者会見で「惨事1周忌の前に国会可決を」と訴えた=10・29梨泰院惨事遺族協議会のフェイスブックより//ハンギョレ新聞社

 与党「国民の力」の指導部が「梨泰院(イテウォン)圧死惨事のろうそくデモなどは北朝鮮の指令」だと述べたことについて、梨泰院惨事の犠牲者、故キム・ウィジンさんの母親は「一抹の(答える)価値もない発言であり、私たちの耳と口が汚れるだけ」と怒りを爆発させた。

 キムさんの母親は8日、MBCラジオの番組「キム・ジョンベの視線集中」のインタビューで、「国民の力政策委員会のパク・デチュル議長が、10月29日に起きた梨泰院惨事の際に北朝鮮が署名運動とろうそくデモ追悼文化祭をせよという指令を下した、このように主張しているが、どんな心境か」と司会者に問われ、このように語った。

 国民の力のキム・ギヒョン代表は、6日に国会で行われた「北朝鮮のスパイ工作と対共捜査権移管点検」と題する政策セミナーで、梨泰院惨事のろうそくデモや福島第一原発の汚染水放出反対デモなどについて「北朝鮮が指令を送ればそのまま実現している」と主張した。同党政策委のパク・デチュル議長も「北朝鮮が『福島(汚染水)反対闘争を展開せよ』という緊急指令を下し、場所を日本大使館、光化門広場周辺にしろと言えば、そこで放出反対集会が行われる。(梨泰院)ハロウィーン惨事の際、(北朝鮮が)署名運動、ろうそくデモ、追悼文化祭を行えと指令を下し、『これが国なのか』、『国民が死んでいく』というスローガンまで指定したら、横断幕が実際に集会に登場した」と述べた。

 これに対し「10・29梨泰院惨事犠牲者遺族協議会」と「10・29梨泰院惨事市民対策会議」は7日、「政権与党『国民の力』の指導部は10・29梨泰院惨事の犠牲者と市民を侮辱する暴言をやめよ」とする声明を発表し、国民の力を糾弾した。

 彼らは声明で「政権与党の代表と政策委員会の議長という位置にある人物が、それも1980年代でもなくこの2023年に、公開の場で梨泰院惨事の真相究明活動が『北朝鮮の指令』だと主張したという報道を見ると、絶望的な気持ちになるばかり」だとし、「時代遅れのイデオロギー攻勢と暴言と梨泰院惨事真相究明特別法の無視によって遺族の胸に恨(ハン)を残した国民の力指導部は、直ちに謝罪せよ」と述べた。

 彼らはまた「梨泰院惨事真相究明特別法制定」に向けた国会審議を国民の力が無視していると批判しつつ、「梨泰院惨事100日国会追悼祭で、与野党指導部が一堂に会して犠牲者の霊前に献花し、真相究明と再発防止に最後まで努めると涙を流しながらした約束は、すべてなかったことになっているのか」と問うた。遺族協議会と市民対策会議は、一日も早く特別法を可決し、独立した調査機関を設立して梨泰院惨事の真相究明ときちんとした再発防止対策作りに積極的に参加することを国会と政府に訴えた。

 キムさんの母親は国民の力指導部の「イデオロギー攻撃」に対して苦しい心境を明かしつつ、最近の陸軍士官学校の洪範図(ホン・ボムド)将軍像撤去について「妙な同質性を感じる」と語った。キムさんはインタビューで「そもそも銅像の撤去という提案そのものが出てくるべきではなく、梨泰院惨事も絶対に起きてはならなかった」とし、「二つとも起こり、国民の間から悲しみと公憤が巻き起こっている」と語った。

 キムさんの母親は、洪範図将軍像の撤去計画が発表された後、洪範図将軍について40年間にわたって研究してきた嶺南大学のイ・ドンスン名誉教授が「洪範図将軍の絶叫」という詩を発表し、多くの人々に語られていることに言及しつつ、自身も梨泰院惨事で犠牲になった息子を思いながら詩を書いたとして、自作の詩を朗読した。

梨泰院惨事の犠牲者、故キム・ウィジンさんの母親が朗読した詩

 あれほど待ちどおしく、幸せな時間になるだろうと楽しみにして友達と訪れた梨泰院は、人生のバケットリストを作成しながら1分1秒を惜しんで情熱を尽くして生きてきた私が、一日くらいはのんびりと癒されようと思ったあの場所ではない、決してない。

 誰がなぜ、私をあの狭い路地に閉じ込めたのか、想像もできない息の詰まる苦しみと押し寄せる絶望の恐怖の中で、愛する人を必死で呼んだが、孤独な私の手を握ってくれる人は誰もいない。私がいる今ここはどこなのか。私があれほど愛する人たちはどこにいるのか。

 あんなに輝いていた私の青春の歴史はなぜ強制終了され、私が夢見たきらびやかで美しい未来とビジョンはどこに行ったのか。

 私は命令する。今すぐ私を愛する幸せな私の家に送ってくれ。私はそこに帰らなければ。

 うわべだけの公正と常識と意思疎通はどこかに投げ捨て、時代遅れのイデオロギー論争で歳月をむしばむのか。

 花火のような人生を送った159人の星たちの叫びが、良心のないあなたたちには聞こえないのか。

 まだ正義と真理と真実が生きていることを叫ぶ市民がおり、最後には彼らが必ず勝利することを信じる国民の審判が、あなたたちは本当に怖くないのか。

ヤン・ソナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1107696.html韓国語原文入力:2023-09-08 11:42
訳D.K

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