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ソウル龍山区の大統領執務室前に集まった遺族たちは14日午後7時30分ごろ、ソウル市庁焼香所に戻る前にスローガンを叫んだ。遺族たちは尹錫悦大統領との面会要求に対する返答を求めたが、8時間たっても何の返答もなかった//ハンギョレ新聞社

　尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領との面会を要求してきた梨泰院（イテウォン）惨事の遺族たちは、ソウル龍山（ヨンサン）の大統領執務室前で警察と8時間以上にわたってにらみ合いつつ大統領の返答を待ったが、結局何の返答も聞くことができなかった。

　梨泰院惨事の遺族たちは14日午前11時ごろ、戦争記念館前で行われた記者会見への参加後、遺族たちの要求事項に対する大統領の返答を求めて8時間ほど待ったものの、返答は得られなかった。10人あまりの遺族は「大統領から直に返答を聞く」として執務室の方へ向かおうとし、警察に遮られたことで物理的衝突も発生した。警察とのにらみ合いが長引いているうちに日が暮れて夜になったが、大統領室は何の返答も出さなかった。遺族たちは結局、午後7時30分ごろにソウル市庁焼香所へと戻ることを決めた。俳優の故イ・ジハンさんの母親のチョ・ミウンさんは「大統領が謝罪するその日まで、私たち母親は死ぬ覚悟でまた来ます」とし「みなが集まってここで（大統領の）謝罪を待ちます」と話した。

　遺族たちはすでに2度にわたり大統領の面会と対策を要求しているが、その時から何の返答もない状態は続いてきた。この日の記者会見の終了後、大統領室の関係者が出てきて面会要請が記された文書を受け取ったが、面会の可否などについては返答しなかった。

14日午後、ソウル龍山区の大統領執務室前に集まり、尹錫悦大統領との面会を求める梨泰院惨事の遺族たち=チャン・イェジ記者//ハンギョレ新聞社

　これに対し、80人あまりの警察官が遺族の周りを取り囲み、彼らの移動を阻止した。遺族たちは地面に座り込んだりフェンスを越えようとしたりしつつ、「大統領はいつ返答するのか」「大統領室の職員は下りてくるのか」などと大声で問うた。犠牲者の故キム・ドンギュ君の祖母は執務室の前で警察に対し「遊びに行って死んだ子どもたちをあの時はなぜ守らなかったのか、あなたたちの弟、兄が死んだと考えてみろ」と声を強めた。

　この日、仏教・プロテスタント・カトリック・円仏教の4宗団は祈りの集いを開催し「遺族を慰めうる唯一の道は、惨事の原因と救助失敗の理由を明らかにし、責任者を厳重に処罰することで、二度とこのような惨事が繰り返されないようにしていくこと」と述べつつ、遺族に対する大統領の謝罪と独立した調査機関の設置を要請した。