本文に移動

韓国の安保ライン改編で「強硬派」キム次長の存在感強まるか

登録:2023-04-01 01:09 修正:2023-04-01 07:41
今後の外交・安全保障政策は? 
キム・ソンハン前安保室長は世論の反発を懸念 
キム・テヒョ1次長は「日本との密着重視」路線
キム・テヒョ国家安保室1次長が昨年8月、龍山大統領室でブリーフィングを行っている=大統領室写真記者団//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の初代外交安保司令塔だったキム・ソンハン前大統領室国家安保室長が事実上更迭されたことで、「強硬派」のキム・テヒョ国家安保室第1次長の存在感が一層強まるとみられている。キム次長はキム前室長よりも日本との密着を重視することで知られており、今後韓米日協力強化など日本傾倒外交が進む見通しだ。

 キム次長はキム前室長とともに、尹錫悦政権の外交安保ラインのツートップと言われてきた。キム次長はキム前室長に比べ職級と年齢が低いにもにもかかわらず、主張が強い方だという。ところが前日、尹大統領の小学校同窓であり「外交の指南役」だったキム前室長が突然交代し、キム次長は大統領室内で事実上唯一残った外交安保最高位の参謀となった。シン・インホ前国家安保室第2次長は昨年8月、健康上の理由で辞任した。

 キム次長は安保室長交替の表面的理由に挙げられる「BLACKPINKとレディー・ガガの合同公演」報告漏れ事件で、自身の直属の秘書官だったイ・ムンヒ外交秘書官が更迭されたにもかかわらず、健在だった。尹大統領の厚い信頼をうかがわせる部分だ。キム次長は、尹大統領が官邸に入る前に住んでいたマンションの住民でもあった。チョ・テヨン新国家安保室長も龍山(ヨンサン)の大統領室システムに慣れるまでは、キム次長の「助言」と「補佐」を無視できないものとみられる。キム次長はまた、駐米大使に内定したチョ・ヒョンドン外交部第1次官と李明博(イ・ミョンバク)大統領在任当時、大統領府でそれぞれ対外戦略秘書官と対外戦略秘書官室先任行政官として共に働いた経験がある。

 キム次長は、日本に密着した外交路線を貫いてきた。韓日首脳会談と日帝強制動員被害者の解決策作りの過程で、キム前室長やパク・チン外交部長官と違って急進的な関係改善を主張したという。キム前室長とパク長官は韓日首脳会談の過程で世論の反発を懸念していたが、キム次長は「支持率が下落しても関係改善を進めなければならない」という強硬論を展開し、「責任は私が取る」という尹大統領と考えが一致したという。大統領室関係者は「キム前室長とキム次長の間に見解の相違があったことは否定できない」としつつも、「結果的に尹大統領の意中をキム次長がよく把握していた」と語った。キム次長は過去、李明博政権時代にも日本に重点を置いた外交政策を主導した。

 当時「外交分野の実力者」と呼ばれたキム次長は、李大統領の全幅の信頼のもと、対外戦略企画官として政府の対北朝鮮強硬路線を貫く一方、日本との関係改善を積極的に進めた。キム次長は2012年、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の密室処理を主導し更迭された。

 一方、尹大統領は同日、チョ・テヨン室長に任命状を授与した後、国家安保室秘書官級以上の職員たちと記念撮影を行った。この記念撮影は予定にはなかった。チョ室長は記者団に「安保室を含め大統領室の全構成員が一丸となり、ワンチームとして努力していくことが必ず必要だと思う」と述べ、(安保室長の交代をめぐる)物議の鎮火に乗り出した。

キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1085932.html韓国語原文入力:2023-03-31 10:49
訳H.J

関連記事