大統領が自ら「建暴」(建設現場の暴力行為)という略語をつくるなど、政府の明確な「反労働」の動きに反発した労働者4万人が、ソウル都心に集まり決起集会を開いた。
先月28日午後、全国民主労働組合総連盟(民主労総)はソウル中区(チュング)の崇礼門一帯で決起集会を開き、「建設労組に対する政府の弾圧の幅と強度が度を越えている」とし、「これを反労働・労組嫌悪と規定し、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権に向けた闘争を宣言する」と明らかにした。同日の集会には主催側の推算で4万3000人余り(警察推算4万人)が集まった。
民主労総のヤン・ギョンス委員長は「造船下請け労働者の切迫した闘争を『従北』(北朝鮮に盲目的に従うこと)と決めつけ、裁判所の判断とは真逆に会計帳簿を公開しろと脅迫して腐敗集団へと追い込み、ついには現場の安全と透明な雇用秩序のために努力してきた建設労組を暴力集団と呼んで罵倒し、根絶するという」とし「これは法治ではなく『暴治』(暴力政治)であり、公正ではなく不平等だ」と述べた。
チャン・オッキ建設労組委員長は「建設労組は建設労働者にとっては最低限人間らしく生きるための最後の砦だが、このような建設労組をやくざ集団、腐敗集団といって貶め、踏みにじっている」とし、「建設現場の主は建設労働者であることを堂々と宣言し、より深く現場に入って建設労働者の生存権を死守する」と述べた。
この日決起集会に参加した建設労働者たちは、政府が建設現場の現実をまったく無視して「労組叩き」ばかりに没頭していると批判した。約30年間建設現場で働いたというイ・ソングォンさん(66)は、「建設現場では正当な賃金を支払わない違法下請けがはびこっている」とし、「民主労総の言葉が常に正しいわけではないが、現場で建設資本が行っている違法についても政府は言うべきではないか」と話した。
掘削機を運転するというカン・ヨンジュさん(58)は「建設機械労働者は個人事業者という理由でガソリン価格が高騰しても補助金を一銭も受けられず、現場で日常的な賃金未払い・下請けによる単価叩きに苦しめられている」とし、「政府は現場の実態すらきちんと知りもせず、建設労働者叩きばかりに没頭している」と語った。
警察はこの日の決起集会に機動隊7000人余り(104個部隊)を投入した。集会を終えて龍山(ヨンサン)の大統領室に向かって行進した参加者らは、龍山大統領室とソウル駅に分かれ、最後の集会を行った。