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強制動員被害者団体、ヤン・クムドクさんの叙勲保留に「驚天動地」

登録:2022-12-09 02:54 修正:2022-12-09 07:47
ヤン・クムドクさんが8日、日帝強制動員被害者の支援団体「日帝強制動員市民の会」とのインタビューで、叙勲が保留となったことについて心境を述べている=日帝強制動員市民の会提供//ハンギョレ新聞社

 日帝強占期に朝鮮女子勤労挺身隊として強制動員された被害者で、30年間にわたって韓国と日本を行き来しつつ裁判闘争を繰り広げてきたヤン・クムドクさんへの国民勲章牡丹章の授与が突如保留されたことについて、日帝強制動員の被害者団体は一斉に「驚天動地すべきこと」として反発した。ヤン・クムドクさんは「何のために勲章は与えないことにしたのか、一言の相談もなかった」と話し、怒りを爆発させた。

 日帝強制動員市民の会は8日に糾弾声明を発表し、その中で「日本の顔色をうかがって、大韓民国は『大韓民国人権賞』の一つも与えられないのか」と批判した。強制動員に関する韓日協議に変数が生じることを憂慮し、9日に予定されていた「世界人権デー(人権デー自体は12月10日)記念式」でのヤンさんへの叙勲を保留したのではないかというわけだ。同会は「外交部が先頭に立って(叙勲を)推薦しても足りないのに、日本の謝罪と賠償を求めて30年間にわたり日本と韓国を行き来し、街頭で市民と共に孤軍奮闘してきた多くの日帝被害者に対して、日本でもない韓国の政府が、ここまで執拗かつ徹底して踏みにじれるのか」とし「今年9月にパク・チン(外交部)長官に会い、日本の謝罪と賠償を求めたヤンさんの願いが日本の気に障ったのか。これが低姿勢外交、屈辱外交でなくて何なのか」と批判した。

 韓日歴史正義平和行動も「人権賞受賞に一体どのような協議が必要だというのか」とし「嘆かわしいばかりだ」とする批判声明を発表した。そして「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の屈辱外交は次第に佳境に入りつつある」と批判した。同団体は「尹錫悦政権は代位弁済、併存的債務引き受けなどで拙速に強制動員問題を解決し、韓日関係を改善しようとしている」とし「そのため外交部は7月26日に最高裁に事実上日本企業の資産売却の保留を求める意見書を提出し、判決履行を止めたかと思えば、今度は強制動員被害者の人権賞受賞に異例にも介入した」と指摘した。

 外交部は、日本の顔色をうかがうために叙勲に反対したわけではないとの立場を繰り返した。外交部の関係者はこの日、記者団に対し、「叙勲法に則って国務会議の審議を経なければならず、大統領の裁可を受けなければならないという手続き上の問題があるため、あのような意見を提示したに過ぎない」と釈明した。叙勲法は、叙勲が推薦された際には行政安全部が国務会議に案件として提出すると規定しているが、ヤンさんの叙勲の件は6日の国務会議にも、8日に行われる臨時国務会議にも上程されていない。

シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1070788.html韓国語原文入力:2022-12-08 16:30
訳D.K

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