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「『バイデン』は捏造」韓国与党、MBCを告発…「このXX」は覚えていない尹大統領

登録:2022-09-30 10:07 修正:2022-09-30 11:09
大統領室「フェイクニュース撲滅」猛攻撃 
ユ・スンミン前議員「潔くに謝って終わらせるべき」
29日午後、国民の力の「MBC偏向・捏造放送真相究明TF」のパク・デチュル委員長と議員らが最高検察庁前でMBCに対する告発状を提出する前に取材陣の質問に答えている。左からハン・ムギョン議員、パク委員長、ユン・ドゥヒョン議員、パク・デス議員=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 与党「国民の力」は29日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領のニューヨーク訪問中に「暴言」騒動を最初に報道した文化放送(MBC)の社長などを検察に告発した。

 国民の力の「MBC偏向・捏造放送真相究明タスクフォース(TF)」(委員長パク・デチュル議員)はこの日、MBCのパク・ソンジェ社長とパク・ソンホ報道局長、ヨン・ボフム・デジタルニュースルーム局長、取材記者など4人に対して「情報通信網利用促進および情報保護などに関する法律」違反と名誉毀損で告発状を提出した。MBCが尹大統領の暴言論争と関連して22日、「バイデン」などよく聞こえない発言に字幕を付けて報道することにより、尹大統領の名誉を傷つけたというのが彼らの主張だ。

 与党の強硬攻勢は「謝罪することはない」という大統領室の雰囲気と合致している。尹大統領はこの日、出勤途中の囲み取材で「暴言論争が長引いているが、遺憾表明をするつもりはないのか」という記者らの質問には答えず執務室に向かった。大統領室関係者は本紙に対し「(マスコミから)無差別爆撃を10時間以上受けた。大統領室から謝罪することはない」と述べた。

 特に大統領室は、尹大統領の暴言使用の事実自体をにごしている。大統領室高官は記者団に対して「暴言論争に対して、その時(米国ニューヨークで)尹大統領に尋ねたが、あまりにも自然に話したことだったので本人もよく覚えていないとのことだ」とし、「(暴言を使った)前の部分は尹大統領もかなり混乱しているようだ」と述べた。「バイデン」ではなく「ナルリミョン(吹っ飛ばしたら)」と言ったことは確かだが、「このXX(この野郎ども)」という部分は覚えていないということだ。

 そのうえで大統領室は「フェイクニュース」撲滅を強調した。キム・デギ秘書室長はブリーフィングで、「フェイクニュースだけはなくさなければならないではないか。狂牛病問題があったように、フェイクニュースによって社会が病み、国民が分裂する恐れがあると考え、事態を重くみている」と述べた。大統領室の別の関係者も、「(MBCは)マスコミとはいえない。大統領室はこのまま突き進む」と述べた。

 このような中、早急に出口戦略を講じるべきだという懸念は依然として与党内にも残っているが、強硬論に押されて散発的な程度にとどまっている。与党内では、早期に問題を収拾できなかった責任をキム・ウンヘ広報首席らに問い、出口を模索すべきではないかという声があがっていると、複数の与党議員らが伝えた。しかし、大統領室関係者は「尹大統領はそのように人事を変える方ではない」と言い切った。

 党内では、尹大統領が謝罪し、これ以上時間を浪費してはならないという声が相次いでいる。ユ・スンミン前議員は同日、大邱(テグ)の慶北大学での講演で、「大統領室もわが党も、国民を見下したコメディのようなことを直ちにやめ、潔く謝罪して終えなければならない」とし、「このような問題でこの重要な任期序盤に時間を無駄にしているのがあまりにももどかしい」と述べた。慶尚道のある新人議員は本紙に対し「ここまで来れば、政務的に得になることはない。残念な状況だ」と話した。

 一方、MBCは「(国民の力の告発に)深い憂慮と遺憾を表する」とし、「報道に関与したという漠然とした推定だけで、公共放送の社長に対する検察捜査を依頼するというのは、今後いかなるマスコミも権力機関を批判するなという報道指針に映りかねない」と明らかにした。また、MBCは「何をどのように捏造したのか、明確な根拠や説明なしに『MBCが字幕を捏造した』という立場ばかりを繰り返すことに遺憾を表明する」と明らかにした。

イ・ジェフン、キム・ミナ、チェ・ソンジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1060762.html韓国語原文入力:2022-09-30 09:11
訳C.M

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