尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が自分の暴言をめぐる報道の真相究明を強調したのに続き、大統領室がこれを最初に報道した「文化放送」(MBC)に報道の経緯を明らかにするよう公文書を送った事実が27日、明らかになった。与党の国民の力は「MBC偏向でっち上げ放送の真相究明タスクフォース(TF)」を立ち上げ、大統領室と「政言(政治とメディア)癒着追及の挟み撃ち」に乗り出した一方、野党の共に民主党は尹大統領海外歴訪過程の「外交惨事」の責任を問い、パク・チン外交部長官解任建議案を提出した。
大統領室は26日、対外協力秘書官の名義で「MBC」に公文書を送り、「同盟関係が損なわれ、国益に甚大な打撃を受けた」とし、尹大統領の暴言に関する報道の経緯を詳細に示すよう求めた。「MBC」は同日、大統領室の「圧力ともとられる公文書」を公開した。
国民の力も「最初に報道したMBCは事実関係の確認という報道の基本さえも守らなかった」として攻勢を続けた。国民の力のチュ・ホヨン院内代表は同日、国会で開かれた議員総会で「巷に出回る噂を取り上げた文、事実ではない煽情的な内容を字幕付きでそのまま放送するのは公営放送としての責任を放棄した行為」だと批判した。同日発足した「MBC偏向でっち上げ放送の真相究明TF」は28日、MBCを抗議訪問する。
与党の「政言癒着」攻勢に対抗し、民主党は同日、所属議員169人全員名義でパク長官解任建議案を発議した。今回の外交惨事の最高責任者は尹大統領だが、パク長官に代わりに責任を問うという戦略だ。民主党は解任建議案で「パク長官は尹大統領の英・米・カナダ歴訪外交が何の成果もなく、国の品格の損傷と国益の毀損という前代未聞の外交惨事に終わったことについて、主務長官として重く受け止め、責任を取らなければならない」と主張した。 同日、国会を訪れたパク長官は記者団に対し、「野党が多数の力に依存し、国益のマジノ線である外交まで政争の対象としており、遺憾を禁じ得ない」とし、「動揺することなく、自分の任務に最善を尽くす」と述べた。国務委員解任建議案は、国会在籍議員3分の1以上の発議と過半数の賛成で議決されるため、民主党が単独で処理することができる。解任建議案が可決されても解任を強制する効力はないが、大統領に圧力をかける手段になる。これに先立ち、民主党は2016年9月、アパート安値伝貰(チョンセ)および超低金利貸出特恵疑惑を理由に農林畜産食品部のキム・ジェス長官解任建議案を発議し、他の野党と協力して議決したが、朴槿恵(パク・クネ)大統領は当時、キム長官を更迭しなかった。
国民の力は「巨大野党の力自慢、政府に対する脅し」だとして、解任建議案の撤回を求めた。 チュ・ホヨン院内代表は議員総会後、記者団に対して「議事日程の協議ができなければ議案を上程できなくなっているため、キム・ジンピョ国会議長に協議を要請する」と述べた。与野党が合意しない限り、本会議に解任建議案を上程しないでほしいという要求だ。同日開かれた国会本会議に報告されたパク長官解任建議案は、24時間以後72時間以内に無記名投票で表決しなければならないため、29日の本会議に上程されなければ自動廃棄される。かつてキム・ジェス長官解任建議案の時は、当時の与党セヌリ党が反発したが、チョン・セギュン国会議長が解任建議案を職権上程した。キム・ジンピョ議長側は同日、本紙の取材に対し、「解任建議案が発議されたため、真剣に与野党間協議を行うよう勧めた」とし、「国会法手続きと前例に則り、慎重に考えている」と述べた。