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「MBCは民営化すべき」…「字幕捏造」したとして総攻勢に出た韓国与党

登録:2022-09-29 06:03 修正:2022-09-30 10:08
「MBCの偏向・捏造放送真相究明TF」科放委所属議員ら 
ソウル上岩洞の文化放送本社を抗議訪問
28日、ソウル麻浦区のMBC本社前でクォン・ソンドン科学技術情報放送通信委員会委員(前列右から2番目)とパク・デチュルMBC偏向・捏造放送真相究明TF委員長など国民の力の議員たちが尹錫悦大統領の発言関連報道について抗議している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 与党「国民の力」の所属議員たちが、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の暴言をめぐる報道と関連し、「文化放送」(MBC)を抗議訪問した。一部議員からは公共放送であるMBCを民営化すべきという声もあがった。全国言論労働組合MBC本部は「これは抗議を装った脅迫であり、放送掌握の火付けにしようとする企み」だとして強く反発した。

 28日午前、与党の「MBCの偏向・捏造放送真相究明TF(タスクフォース)」および国会科学技術情報放送通信委員会(科放委)所属議員らは、ソウル麻浦区上岩洞(サンアムドン)のMBC本社を訪ね、尹大統領の暴言をめぐる物議に関するMBCの初報道を偏向・捏造放送だと主張し、経営陣の釈明を求めた。ただし、彼らは言論労組と文化放送側の制止で、建物の中に入ることはできなかった。その代わり、警察数百人とユーチューバー、言論労組所属組合員が彼らを迎えた。

 MBC本社の正門前でパク・デチュルTF委員長は「動画の波紋の真実を知るために来たが、パク・ソンジェ(MBC)社長は現れず、どこに逃げたのか」と声を高めた。パク委員長は「どんな基準と根拠で字幕を付けたのか、動画の最初の流出者は誰なのか、真実を究明しなければならない」とし、「(MBCが)特定陣営側に立って偏向放送を日常的に行った責任を問うため、あらゆる手段を動員する」と付け加えた。

 さらに、科放委所属のクォン・ソンドン議員が「今回の事件は『MBC字幕捏造事件』」と呼ぶべきだ」として、マイクを握った。クォン議員に向かって「このXXたち(野郎ども)よ」、「恥知らずの行動は直ちにやめろ」、「恥知らずなんて赤っ恥」などの叫びが続いた。尹大統領がジョー・バイデン米大統領との対面後に吐いた「国会でこのXXたちが承認しなければ、バイデンは赤っ恥をかくだろうな」 という発言を活用したスローガンだった。

 クォン議員は尹大統領の発言に関するMBCの報道について、「単純なハプニングを外交惨事と規定し、政権を揺さぶろうとする思惑だ」とし、「これは第2の狂牛病扇動」だと主張した。その後「MBC民営化」を主張する発言が続いた。クォン議員「MBCは自称公共放送だと言うが、現実は共に民主党の前衛部隊になって国益を損ねている」とし、「MBCの民営化に対する議論を真剣に始めなければならない」と語った。

 記者会見を終えた与党は29日、MBCに対し、名誉毀損嫌疑の告発と損害賠償請求など法的措置を取る方針を明らかにした後、解散した。

 与党議員たちの抗議訪問に対し、言論労組MBC本部は「今回の抗議訪問は恥知らずであると同時に、公共放送に対する弾圧」だと反発した。MBC本部は同日、特報を通じて「フェイクニュース、売国放送などと言及し、大統領の不適切な発言によって触発された波紋を陣営論理と陰謀論で上塗りしようとするのは、国民の目と耳を覆うための姑息な手に過ぎない」とし、「公共放送のMBCに対して優越的地位にある国会科放委所属の議員が抗議訪問するというのは、抗議を装った脅迫であり、放送掌握の火付けにしようとする企み」だと主張した。

 同団体は「公共放送としてMBCに国民と視聴者が与えた任務と役割を果たせるよう、いかなる圧力にも屈せず、言論の自由を守るために堂々と闘う」と明らかにした。

チェ・ソンジン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/media/1060516.html韓国語原文入:2022-09-29 01:39
訳H.J

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