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韓国国会で外相解任建議案可決、尹大統領は受け入れない見込み…急速に冷え込む政局

登録:2022-09-30 05:59 修正:2022-09-30 07:36
パク・チン外交部長官が29日、ソウル汝矣島の国会本会議に出席し、ハン・ドクス首相と会話を交わしている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の北米歴訪の過程での「外交惨事」の責任を問い、野党「共に民主党」が発議したパク・チン外交部長官解任建議案が国会本会議で可決された。与党「国民の力」の反発にもかかわらず、民主党が単独で解任建議案を議決し、尹錫悦大統領はそれを受け入れない意思を明らかにしたことで、通常国会の初めから与野党の対立は激化するものとみられる。

 国会は29日午後6時、本会議を開き、賛成168票、反対・棄権各1票でパク長官の解任建議案を可決させた。国務委員解任建議案が国会本会議で可決されたのは、2016年のキム・ジェス元農林畜産食品部長官以来6年ぶり。

 解任建議案を本会議に上程する権限を持つキム・ジンピョ国会議長は、同日午前から国民の力と共に民主党に議事日程の合意を促したが、両党は隔たりを埋めることができなかった。国民の力の重鎮議員たちは国会議長室を訪ね、キム議長に「与野党の合意もなく上程してはならない」と主張した。これを受け、キム議長は「外交惨事をめぐる波紋に対する遺憾表明」などの仲裁案を提示したが、国民の力は受け入れなかった。結局、キム議長は午後6時、本会議の招集を決め、解任建議案を上程した。「米副大統領が訪韓したのに外交部長官解任建議案を処理するのは欠礼」だという国民の力の反発を考慮し、カマラ・ハリス副大統領の出国時点に合わせて本会議の時間を調整したのだ。

 国民の力の議員たちは「協治を破壊する議会の暴挙」「反民主・反議会の国会議長は辞任せよ」というプラカードを持って入場し、ソン・オンソク院内首席副代表は議事進行発言を通じて「文在寅(ムン・ジェイン)元大統領は中国で10食中8食は一人で食事をし(外交的冷遇を受け)何をしたか。韓日関係を破綻させ、韓米日協力体制を崩壊させたのは誰か」と文在寅政権を批判した。両党の議員たちのヤジが飛び交い、国民の力の所属議員たちはソン議員の発言直後、本会議場から退場した。国民の力と正義党が表決に参加しなかったが、民主党(169人)議員だけでも解任建議案の議決定足数(在籍議員の過半数)を満たすには十分だった。

 解任建議案が可決されると、国民の力は強く反発した。国民の力のチュ・ホヨン院内代表は解任建議案が可決された後、記者団に「米副大統領の日程中にこのような暴挙に出たのではないか」とし、「国民が民主党に169議席を許したのがどれほど国の役に立たず、どれほど危険なのか、次第に痛感することになるだろう」と述べた。国民の力はまた、キム議長が与野党の合意なしに解任建議案を上程したとし、30日午前、キム・ジンピョ議長の辞任勧告案を提出する計画だ。民主党のパク・ホングン院内代表は、「今回の大統領の歴訪を評価しないという世論が70%前後であることが確認された。責任を問うのは当然のことだ」とし、「大統領は(国民が)歴訪外交での過ちを叱責している状況を決して軽く考えてはならない」と述べた。

 しかし、尹大統領はすでに同日午前、「(パク長官は)優れた能力の持ち主」だとし、パク長官を交代する意思がないことを明確にした。パク長官も解任建議案の可決後、「外交は国益を守るマジノ線だ。外交はいかなる場合でも政争の犠牲になってはならない」とし、「動揺することなく任された任務に全力で取り組む」と述べた。

ソ・ヨンジ、キム・ヘジョン、イム・ジェウ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1060758.html韓国語原文入:2022-09-30 02:41
訳H.J

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