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韓米、終戦宣言構想で緊密疎通へ…「北朝鮮とすべての議論が可能」

登録:2021-09-30 20:25 修正:2021-10-01 08:30
30日、ジャカルタで韓米北朝鮮核問題首席代表が協議 
ソン・キム「米、北に敵対的意図ない」再確認
韓国のノ・ギュドク朝鮮半島平和交渉本部長(左)と米国のソン・キム対北朝鮮特別代表が30日、インドネシア・ジャカルタのあるホテルで韓米北朝鮮核問題首席代表協議の後に共同会見をしている=韓国外交部提供//ハンギョレ新聞社

 韓米の北朝鮮核問題首席代表が30日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国連総会で提案した終戦宣言について緊密に疎通を図ることにした。北朝鮮との対話再開時には、すべての事案について議論できるという立場を再確認した。

 韓国のノ・ギュドク朝鮮半島平和交渉本部長と米国のソン・キム対北朝鮮特別代表はこの日、インドネシア・ジャカルタのフェアモントホテルで協議し、共同会見を開いてこのような立場を明らかにした。1時間20分余りにわたって開かれたこの日の協議で、両代表は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の最高人民会議での施政演説と、最近キム・ヨジョン労働党中央委副部長の相次ぐ談話、極超音速ミサイルの発射など、最近の朝鮮半島情勢に対する評価を共有したという。

 最も関心を集めた終戦宣言について、ソン・キム代表は、「ノ本部長が朝鮮戦争終戦宣言のための韓国政府の構想について具体的に説明した」として「(終戦宣言)構想に対する緊密な疎通を継続することに同意した」とだけ明らかにした。両代表は前回の協議でも、北朝鮮の非核化措置とともに提示されうる意味のある信頼構築方案の一つとして終戦宣言をめぐる見解を交換してきた。

 これまで米国側は、否定的な立場表明も積極的呼応もせずに、一旦は北朝鮮の反応を見守ろうとの意向を明らかにしてきたという。条件付きではあるが、24日にキム・ヨジョン副部長が終戦宣言に対して肯定的反応を見せた一方で、ソン・キム代表が原則的な言及にとどめたことから、今回も米国は終戦宣言に対して慎重な立場を示したものとみられる。ただし、ソン・キム代表は、ジョー・バイデン政権が一貫して明らかにしたように「米国は北朝鮮に対して敵対的意図を有していないという点を改めて明確にしたい」と再度強調した。

 ソン・キム代表の発言で注目されるのは、「私たちは依然として北朝鮮と両者および地域のすべての懸案を議論するための関与に門戸を開いている」と述べた部分だ。これは、ノ本部長の言及で具体化されるが、ノ本部長は「北朝鮮との対話が再開されれば、北側の関心事を含むすべての事案に対して議論することができるという両国の共同の立場を再確認した」と明らかにした。韓米が非核化のみならず「北側の関心事を含むすべての事案」を議題とすることができるということは、対北朝鮮制裁問題も議論できるという解釈が可能だ。

 最近、韓国のチョン・ウィヨン外交部長官が「スナップバック」(合意違反時の自動復元)を前提とした対北朝鮮制裁緩和を検討する必要があると明らかにしたことと併せて考えれば、これを対北朝鮮誘引策として持ち出した韓国政府のジェスチャーを、米国がある程度受け入れたという形だ。米国側が先に対北朝鮮制裁緩和を提示する可能性はないが、北朝鮮が対話に出てくるならば議論は可能というメッセージと解釈できる。

 ソン・キム代表の発言の中で、普段の韓米協議後とは違った点は、「いつでもどこでも北朝鮮と前提条件なしに対話する意向」を明らかにしなかった点だ。北朝鮮と関与について開かれているとし、最も脆弱な状況に置かれた北朝鮮住民のための人道主義的支援方針を再確認しながらも、積極的に北朝鮮に対話に出てくることを注文することはなかった。それと共に「北朝鮮の最近の弾道ミサイル発表に対して深い憂慮を表明した」として「今回の発射は、国連安全保障理事会の各種決議への違反であり、近隣諸国と国際社会にとって脅威となっている」と述べた。北朝鮮が相次いで軍事行動を行い、米国の「前提条件なき対話」メッセージに対して「敵対行為を隠すための見せかけ」「敵視政策の延長」などと規定したことを考慮したと思われる。ノ本部長は「北朝鮮も、韓米共同の対話再開の努力に呼応してくることを期待する」と述べた。

 一方、両代表は韓米協議に先立って、日本外務省の船越健裕アジア大洋州局長との3者電話協議を約15分間行い、緊密な共助を維持することにした。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1013412.html韓国語原文入力:2021-09-30 17:45
訳J.S

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