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北朝鮮国連大使「韓米軍事演習・戦略兵器投入を中止すれば、前向きに応える」

登録:2021-09-29 06:42 修正:2021-09-29 07:52
国連総会演説で「北朝鮮敵視政策の放棄」求める 
「米政府は言葉ではなく、行動で示すべき」 
「強力な攻撃手段はあるが、韓米を危険にはしない」
北朝鮮のキム・ソン国連大使が今月27日(現地時間)、米ニューヨーク国連本部で開かれた第76回国連総会一般討議で演説している=国連提供/AP・聯合ニュース

 北朝鮮のキム・ソン国連大使は27日(現地時間)、米国が朝鮮半島周辺での合同軍事演習と戦略兵器の投入を永久に中止すれば、北朝鮮もそれに前向きに応える用意があると明らかにした。

 キム大使は同日、米ニューヨーク国連本部で開かれた第76回国連総会一般討議演説で「米国が真に朝鮮半島の平和と和解を望んでいるなら、朝鮮半島とその周辺で我々を狙った合同軍事演習と各種戦略兵器の投入を永久に中止することで、朝鮮敵視政策の放棄の第一歩を踏み出すべきだ。米国が我々に対する威嚇をやめて敵対的意図を捨てれば、朝米関係と南北関係に明るい展望が開けると確信する」と述べた。キム大使の発言は、キム・ヨジョン労働党副部長が25日の談話で、朝鮮半島終戦宣言と南北首脳会談の可能性に触れ、「北朝鮮敵視政策」と「二重基準(ダブルスタンダード)」の撤回を求めたことを国連舞台で繰り返し明らかにしたものと言える。特に、敵視政策の具体例として、韓米合同軍事演習と戦略兵器の投入を明示したことが注目される。

 キム大使はまた「米国が行動で敵視政策を放棄する勇断を下せば、喜んで前向きに応える用意ができている」としながらも「米国が現段階で朝鮮敵視政策を撤回する意志を示していないというのが我々の判断だ。だからといって我々は米国に対し、我々を敵視しないでほしいと訴えるつもりはない」と述べた。「冷戦時代の遺物で我々を脅かす行為を続ければ、ただでは済まされないだろう」と警告した。

 キム大使の発言は、最近北朝鮮のキム・ヨジョン労働党副部長が朝鮮半島終戦宣言の前提条件として「北朝鮮敵視政策の撤回」を要求した中、国連の舞台でこれを繰り返し明らかにしたものだ。特に韓米合同軍事演習と戦略兵器の投入の永久中止など、「敵視政策の撤回」という要求の内容を明確に示した点が目を引く。

 キム大使は「米国が我が共和国を共産国家、非市場経済国と規定し、人権問題や大量殺戮兵器の伝播、テロ支援、宗教弾圧、マネーロンダリングなど不当な用語を使い、政治・経済・貿易関係の樹立を制度的かつ法律的に完全に遮断した」としたうえで、「これが敵視政策でなければ、友好政策とでも言うべきか」と述べた。

 また、北朝鮮には外国軍の基地が一つもないが、韓国には約3万人の米軍が駐留していると米国を非難した。さらに、「朝鮮は米国周辺で軍事演習をしたことがないのに、米国は毎年、朝鮮半島周辺で合同演習を行っている」と批判した。

 韓国についてもキム大使は、「南朝鮮当局が米国の黙認庇護の下、先端兵器の開発に力を入れ、多くの戦争装備を持ち込んでいるのも、朝鮮半島の軍事的バランスを崩す危険千万な行為だ」と批判した。

 キム大使は「我々の戦争抑止力、その中にはもちろん強力な攻撃手段もある」としながらも、「しかし我々は誰かを狙って使ったことがなく、言い換えれば米国や南朝鮮、我々の周辺国の安全を絶対に侵害したり、危うくしたりはしない」と述べた。

 キム大使の演説は、北朝鮮がキム・ヨジョン副部長の談話を通じて韓国と米国に北朝鮮敵視政策の撤回を要求し、南北首脳会談と終戦宣言に前向きな態度を示している中で出たものだ。米国が誠意を見せれば、対話に乗り出す意志があるというシグナルとみられる。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1012988.html韓国語原文入力:2021-09-29 02:35
訳H.J

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