京畿道のイ・ジェガン平和副知事が南北首脳による開城(ケソン)工業団地の再開宣言を求め、16日連続で坡州市臨津閣(イムジンガク)観光地内の「風の丘」に建てた臨時執務室に出勤している。
イ副知事は当初、開城工団が見える都羅(トラ)展望台に執務室を設置する予定だったが、非武装地帯(DMZ)を管轄する国連軍司令部から承認を受けられず、今月10日には臨津閣に臨時執務室を設置すると共に、近くの統一大橋の前で毎日午前11時から1時間、国連軍司令部を糾弾する1人デモも行っている。
23日午後、臨津閣DMZ生態観光支援センターの隣の丘の上にあるテント型執務室で会ったイ副知事は「南北首脳が朝鮮半島平和のためにまずすべきことは、開城工団の再開宣言」だとし、「(その後に)制裁を超えて国際的協力を引き出す案を南北が共に模索しなければならない」と述べた。イ副知事は、政府が南北首脳会談以降、北朝鮮との平和協力の機会を逃したという一部の指摘に対し、「イ・イニョン統一部長官がこれからは『朝米の時間』ではなく『南北の時間』を作るべきだと述べたように、今こそ南北の指導者が会って自主的に南北関係改善の道を開かなければならないゴールデンタイム」だと強調した。
京畿道が開城工団の再開を求める理由について、イ副知事は「工業団地閉鎖措置が下されてから4年10カ月が経っており、これ以上参加企業の苦痛に背を向けるわけにはいかない状況」だとし、「当時の約120社の企業のうち40社以上が京畿道地域の企業であり、開城工団の稼働中止で最も被害が大きかった地方政府がまさに京畿道だった」と述べた。さらに「京畿道は北朝鮮との接境地域に位置し、南北関係が揺れるたびに住民たちの日常と安全が脅かされている」とし、「京畿道の平和政策を担っている副知事として、(テント執務室への出勤が)政治パフォーマンスと見られるのを恐れて何もしないのは、むしろ道民に対する職務遺棄だと思う」と述べた。
開城工団は2004年に稼働を始めて2016年に閉鎖されるまで、累積生産額が約3兆8千億ウォン(32億ドル)に達する朝鮮半島経済共同体の実験場であり、南北の労働者5万5千人以上が共に働きながら“小さな統一”を実現した場所として評価された。
彼は現職副知事の身分で1人デモをした理由について、「そもそもデモを行う計画はなく、特定機関や特定国家を対象にデモをしているわけではない」とし、「大韓民国国民が大韓民国の領土に出入りするのに国連軍司令部の承認を受けなければならないのは不公正の事例であり、こうした不公正を打破しようという国民の熱意を結集しようとする行為だ」と述べた。彼は「南北関係が冷え込んだ時、呼び水の役割をするのが京畿道平和副知事の役割」だとし「開城工団の再開宣言が行われる日まで、臨津閣と都羅展望台で平和副知事の業務を続ける」と述べた。