今年、世宗大路(セジョンデロ)や乙支路(ウルチロ)、退渓路(テゲロ)をはじめとし、ソウル4大門内のすべての車道が往復4~6車線に減らされる。しかし、ソウル市は4大門内の交通と環境を画期的に改善できる「車両2部制」と「混雑通行料」政策は中長期課題に回した。
5日、ソウル市は国土交通部に「グリーン交通振興地域特別総合対策(案)」を提出したと明らかにした。「グリーン交通振興地域」は環境にやさしい交通を強化するための政策であり、ソウル市は2017年3月に4大門内(漢陽都城内)16.7平方キロメートルを国土部から指定された。ソウル市は国土部がこの対策を承認し次第、施行する計画だ。
この対策によると、ソウル市は今後4大門内の全ての道路を往復4~6車線に減らしていく。バス通行が多くバス専用車線があるところは最大6車線、残りの道路は4車線に減らす。このように減らした車線は自転車の車道や歩行路、操業駐車スペースを確保するのに活用する。ソウル市は2017年、鐘路(チョンノ)にバス中央車道を設置し、自転車車道1車線を確保している。
まず今年は世宗大路と乙支路、退渓路でこの事業を施行する。最大10車線の世宗大路(光化門交差点~ソウル駅の1500メートル)は光化門(クァンファムン)広場の再構造化、最大8車線の乙支路(ソウル市庁~東大門歴史公園の3700メートル)は世運(セウン)商店街再生、最大8車線の退渓路(退渓路2街~5街の1200メートル区間)は南山の芸場裾の再生事業と連携して施行する。象徴性や交通量から見て、世宗大路の事業が最も核心的だが、光化門広場の再構造化がどのように進行されるかがカギだ。現在、光化門広場は地上を全面的に広場にし、車道を地下に入れる案が採用されたが、コストや環境レベルでの反対が少なくない。
4大門内での車の通行速度も下げる。幹線道路は時速50キロ、裏通りは時速30キロに下げ、速度を減らすための安全施設物も拡大する。
車両通行の需要は環境等級制を通じて減らしていく。まず、今年の環境部の「エコ等級制」が確定されれば、グリーン交通地域への進入地点43カ所に車両番号認識システムを設置し、低い等級の車の進入を取り締まる。また、デパートや大型スーパーなどについては2020年まで交通誘発負担金を毎年上げ、交通誘発者の責任を強化する計画だ。しかし、ソウル市は車両2部制や混雑通行料のような強力で効率的な交通とPM2.5の改善政策は、市民の負担や反発を理由に採択しなかった。
また、歩行路と自転車道路も拡大する。ソウル市は今年、西村(ソチョン)や乙支路には歩行特区を指定し、4大門内全体に歩行特区を拡大していく方針だ。また、2030年までに4大門内のすべての交差点に横断施設を100%設置する。
公共交通機関の利用を増やすための政策も施行する。2030年までに世宗大路(崇礼門~光化門の1700メートル)、南大門路(南大門~鍾路1街の1350メートル)、統一路(警察庁~ソウル駅の600メートル)など、バス車線断絶区間を結ぶ。また、分離していて乗換えに不便な市内バスと町内バスの停留所も統合していく。
エコ交通手段と関連しては、2018年の30台を手はじめに2025年までに計3千台の電気バスを導入する。2020年までに4大門内の公有車の100%を電気自動車に変える。
キム・サンチョル公共交通ネット政策委員は「道路ダイエット政策で車両の通行量を減らすのは望ましい。しかし、4大門内で車両2部制や混雑通行料のような効果的な需要管理政策を放棄したのは惜しい。選挙運動期間には新しい政策議題を打ち出して競争しなければならないが、論争を回避するために守勢的な政策を出したようだ」と話した。