米国とイランは17日(現地時間)、14項目からなる終戦に関する覚書(MOU)の全文を公開した。イランは「核兵器の取得や開発をしないこと」を約束した見返りとして、3000億ドルを超える巨額の「復興基金」と、ホルムズ海峡に対する管理権をほぼ手に入れるなど、自国に有利な条件で戦争を終えることに成功した。米国のトランプ大統領が、イランに事実上の「敗戦」といえるほどの深刻な苦境に追い込まれたことによって、米国優位の「戦略的均衡」が維持されてきた東アジアの情勢にも、かなりの波及効果があることが予想される。米中間に挟まれた韓国の前にも、険しいいばらの道が待ち受けることになった。
この日公開された覚書によると、イランが核開発を放棄することを前提に、60日間の核協議に入る見返りとして、米国は海上封鎖の解除▽兵力撤収▽イラン産石油の輸出許可などの措置を講じることとした。その後、「最終合意」に達することになれば、米国はイランに対するすべての制裁と資産の凍結を解除し、復興基金を設立することで、イランの戦後復興を助けることになる。
韓国の「エネルギー安全保障」に直結するホルムズ海峡については、イランが船舶の安全な航行を保障する名目で事実上の管理権を得ることに成功した。米国高官は、この合意が「海峡をただちに開放させ、イランに濃縮核物質を廃棄させ、イランがより望ましい行動を拡大すれば米国も経済制裁の緩和を拡大する構造」だと説明したが、相手側の要求を大幅に受け入れた内容であることは否定しがたい。トランプ大統領は、イラン首脳部を抹殺する「斬首作戦」で体制を打倒した後、核問題を完全に解決する計画だったが、その思惑は実現しなかった。核問題に対するイランの立場は、開戦直前に行われた交渉時に比べ、たいして進展していない。結局、むだな戦争を引き起こし、海峡の管理権だけを奪われたことになった。そもそも合意の履行は厳しいだろうと酷評する声も多い。
このような内容は、自国の安全保障を米国に全面的に依存してきた韓国にとって、災難に近い結果にみえる。米国の脆弱さが鮮明に露呈しただけに、台湾を挟んで危ういながらも維持されてきた米中の均衡が揺らぐ可能性が高まった。場合によっては、米国とイスラエルが起こした戦争に巻き込まれて血の涙を流すことになった湾岸産油国のように、韓国も他人の戦争に巻き込まれ、大きな被害を受ける可能性がある。さらに大きな問題は、米国が関与の意思を失い、自壊する場合だ。米国と協力し、戦時作戦統制権の移管や、核濃縮の権利の確保など、韓国独自の「戦略的自律性」を高めると同時に、中国とも緊密に意思疎通をしていかなければならない。