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[社説]検察の集中捜査に対し特検カード切った韓国野党第1党代表

登録:2022-10-22 02:49 修正:2022-10-22 08:29
共に民主党のイ・ジェミョン代表が21日午前、国会内の党代表会議室で「大庄洞特検」を要求する特別記者会見を行っている/聯合ニュース

 野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表が21日、自身と尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に関する疑惑をすべて取り扱う「大庄洞(テジャンドン)特別検察(特検)」の導入を尹大統領と与党「国民の力」に提案し、受け入れを求めた。与党は検察捜査を理由として直ちに拒否の意思を明らかにした。しかし、最近の検察による捜査の集中は狙い撃ち捜査だとの疑惑を招いている。イ代表の要求を「希釈」とみなすだけでなく、捜査の公正さをいかに担保するか、与野党は真剣に議論する必要がある。

 イ代表はこの日、「特検は、これまでに提起されてきたすべての疑惑を網羅しなければならない」と述べ、大庄洞開発や火天大有(大庄洞開発で多額の利益を得た資産管理会社)の資産管理の実態解明、尹大統領の釜山貯蓄銀行に対する手抜き捜査疑惑、火天大有の筆頭株主であるキム・マンベ氏の実姉が尹大統領の父親の家を購入した経緯、大統領選候補時に尹錫悦候補が「大庄洞の不正の本丸はイ・ジェミョン」とした発言の選挙法違反問題などを、すべて特検の対象とすべきだとした。イ代表の提案は、大庄洞開発の収益金の一部が城南(ソンナム)都市開発公社のユ・ドンギュ元本部長と民主研究院のキム・ヨン副院長を経てイ代表側に流れたという疑惑に対して逆対応するかたちだ。同氏は違法な大統領選挙資金疑惑について「私的な利益はただの1ウォンも得ていない」とも述べている。

 大庄洞の開発特恵疑惑はもとより、イ代表の最側近であるキム副院長の金品授受容疑も明確に真相が明らかされるべき重大な事案だ。だが、資金の規模や性格などの確認されていない被疑事実が検察から流出されるのは、検察が「違法な大統領選挙資金」という結論をあらかじめ決めているのではないかという疑問を抱かせる。検察が国政監査の期間中に民主党本部の家宅捜索を試みるなど、野党と正面対決する姿勢を見せていることも、政治的意図を疑わせる。「尹錫悦検察」の信頼性には懸念があるだけに、これを機に独立的な特検によって真相を究明しようという提案は一理ある。

 ただ、イ代表が提案した特検の捜査範囲が包括的であること、検察捜査が本格化して間もないことなどは議論の余地がある。イ代表が「民主党の持つ力をもってしてでも必ず特検を実現しなければならない」と公言したことも不適切だ。与野党の合意なしに議席数の力をもって特検法を推し進めるのも行き過ぎだが、公党の代表が京畿道知事時代の事件について自らの司法リスクの盾として党を利用しているとの批判も免れない。

 大庄洞特恵疑惑は、大統領選挙期間から1年以上も政争の対象となっている。特検導入問題がもう一つの「火薬庫」となって国会を麻痺させることのないよう、与野党は双方とも党利党略から脱し、信頼性のある捜査を通じて国民的疑問を解消しうる代案を議論してほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1063750.html韓国語原文入力:2022-10-21 18:44
訳D.K

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