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韓国の野党第1党、「非道な行動」強く反発…国政監査を中断、場外闘争を論議

登録:2022-10-20 10:25 修正:2022-10-20 11:59
本部家宅捜索の試みに激昂…「尹政権の政治ショー」
19日夕方、共に民主党の「尹錫悦政権政治弾圧対策委員会」のパク・ポムゲ委員長(左から3人目)と議員たちがソウル汝矣島の民主党本部で、民主研究院の家宅捜索に乗り出した検察関係者たちを阻止し、話を交わしている=パク・チョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 共に民主党のイ・ジェミョン代表の最側近である民主研究院のキム・ヨン副院長が19日逮捕されたのに続き、検察が中央党本部の家宅捜索まで試みたことで、民主党は大騒ぎになった。民主党は野党第1党の党本部に対する家宅捜索を「大韓民国の政治史で前例のない非道な行動」だと批判し、国政監査の全面中断を宣言した。その後党本部に集結し、場外闘争の陣容を整えた。

 この日午前、キム副院長が城南都市開発公社のユ・ドンギュ元企画本部長から数億ウォンの政治資金を受け取った疑いで逮捕された事実が知らされた時までは、民主党では「しばらく検察の捜査状況を見守ろう」という「慎重論」が優勢だった。しかし、午後に入ってキム副院長に流れた資金が大統領選挙資金として使われたという可能性が提起され、キム副院長の事務所のあるソウル汝矣島(ヨイド)の民主党本部に対する検察の家宅捜索まで行われると、党では混沌と激昂の声が上がった。

 民主党は何よりも本部の家宅捜索にまで至った過程を「検察の急発進」と受け止め、当惑している雰囲気だ。検察による本部家宅捜索のニュースが伝わると、キム・ウィギョム報道担当は「キム副院長は(10月)11日に初めて任命状を授与された。キム副院長が本部の8階にある民主研究院に来たのは3回だけだ。支持率が24%まで下がった尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が、政治ショーを脱出口にしようとしている」と批判した。

 戸惑いは現場でも読みとれた。この日午後、ソウル中央地検反腐敗3部のホ・スンジン副部長など検察関係者9人が民主党本部を家宅捜索しようとすると、チョ・ジョンシク事務総長など議員10人余りが急いで駆けつけて阻止した。前法務部長官のパク・ポムゲ議員が「民主党に対する家宅捜索であり、国政監査に対する挑発だ」と反発すると、ホ副部長検事は「民主研究院に対する家宅捜索ではなく、ひとえに大庄洞(テジャンドン)開発に関する不正を捜査するなかで違法資金が発見されたため、対象者の事務所と机だけに限定して(捜索を)進めるもの」として対抗した。民主党は「明日昼、党所属弁護団が同席するなかで家宅捜索令状に記載された証拠物を任意提出する」という折衷案を検察に提案したが、受け入れられなかった。

19日夜、共に民主党のイ・ジェミョン代表が、民主研究院の家宅捜索をめぐり検察と民主党の対峙が続いているソウル汝矣島の民主党中央党本部に入ろうとしている=パク・チョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 検察はひとまず「法律に沿った原則的な法執行」を公言し、この日午後11時頃に撤収した。イ・ジェミョン代表のある側近は「検察がこのような絵を描いて襲いかかってくると考えてはいたが、こんな風に急発進するとは予想できなかった」と語った。特にイ代表側では、検察がイ代表側に捜査を集中させるためにこじつけ捜査でユ・ドンギュ元本部長に偽証を強要した可能性に重点を置き、対応戦略を苦心している。民主党はこれに先立つ18日、国会法制司法委員会の国政監査で、最近ユ元本部長側の弁護人と知人の接見が相次いで拒否された点を挙げ、検察の懐柔・脅迫があったのではないかという疑惑を提起した。イ代表側の関係者は「検察が偽証教唆をしたとみている」として「側近たちを切り口にイ代表を圧迫するための布石のようだ」と話した。

 検察は今後、民主党本部に対する家宅捜索令状を再執行する方針であり、対峙状況が繰り返される可能性が高い。民主党は万一の事態に備えるために、党役員を中心にチームを組んで党本部周辺を守ることにした。国会議員らも非常連絡網を構築し態勢を整えた。キム・ウィギョム報道担当は検察撤退後のブリーフィングで、「令状の有効期間は通常1週間だ。いつどのようなかたちで(検察が)令状を執行しようとするか分からない」とし「最小限の警戒態勢を整え、検察の令状執行に備える考えだ。本部には一歩も足を踏み入れることができないようにする」と述べた。民主党は20日午前、国会で緊急議員総会を開き、場外闘争および国政監査への参加の可否を含めた対応戦略を議論する予定だ。

シム・ウサム、オム・ジウォン、チョ・ユニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1063435.html韓国語原文入力:2022-10-20 02:45
訳C.M

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