本文に移動

中国、複雑な内心…関税では「最後まで戦う」としながらも米国と対話の意向

登録:2025-04-11 06:04 修正:2025-04-11 09:46
米国のドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席/AFP・聯合ニュース

 中国はチキンゲームに突入した米国との関税戦争で、「最後まで戦う」として一歩も引かずにいる。しかし、依然として一方では、「対話と交渉」を強調している。これは関税圧力と景気低迷打破という課題を同時に解決する必要のある中国の複雑な内心を示している。

 10日、中国商務部の何咏前報道官は定例記者会見で、中国は米国と関税に関する交渉を始めるのかという質問に、「中国の立場は明確で一貫したもの」として、「対話を望むのであれば、扉をいつでも開けておく。しかし、対話は相互間の尊重と平等な態度でなされなければならない」と述べた。さらに、「(米国が)戦いたいのであれば、中国は最後まで戦う」と強調した。

 米国のドナルド・トランプ大統領は前日、中国を除くすべての国の相互関税適用を延期し、中国には逆に21%の関税を加えた。125%の相互関税という爆弾を受けることになった中国は、現在示している一貫した立場を維持する場合、改めて米国に正面から対抗するものとみられる。中国の王文涛商務相は最近、欧州連合(EU)やASEAN(東南アジア諸国連合)などの貿易担当者に中国の立場を説明し、米国の関税政策に対する「断固たる反対と対応」を強調して「最後まで戦う」と述べた。中国官営「環球時報」などが10日に報じた。

 一貫した決戦の意志は、過去より強くなった中国の経済的体力に基づいていると外国メディアは分析する。英紙ガーディアンは「中国が(米国より)先に動揺を見せない可能性が高い」と指摘した。米国は中国からスマートフォンやパソコン、おもちゃなどの消費財を輸入しており、関税の影響はただちに現れざるをえないということだ。一方、中国は第1次トランプ政権での米中貿易戦争を経験した後、貿易での米国依存度を下げた。華僑大学国際関係学部の黄日涵教授はハンギョレに、中国の自信は「巨大な市場規模や強力な製造業の基盤などに由来する」と説明した。

 しかし、我慢比べに突入した中国にとっても、貿易戦争が続く状況は負担だ。ゴールドマン・サックスはこの日、「米中貿易対立と関税引き上げ措置が中国経済に否定的な影響を及ぼすという判断によるもの」だとして、中国の今年の経済成長率の見通しをこれまでの4.5%から4.0%に引き下げた。中国は今年の国内総生産(GDP)の成長率目標を5%前後に設定している。前日、中国の李強首相は企業家との座談会で「外部の衝撃が安定した経済政策の運用に圧力を与えていることを明確に認識しなければならない」として、「適時に追加政策を導入し、対応する必要がある」と述べた。中国中央テレビ(CCTV)が報じた。

 中国は、米国の関税攻撃があるたびに、「対話と交渉を通じた解決」を強調してきた。まずは内需不振などにともなう景気低迷に対処する必要のある状況では、景気低迷を助長しかねない貿易戦争は、中国にとっても解決すべき問題だ。しかし当面は、米国と中国が同じ交渉のテーブルに座ることは容易ではないものとみられる。黄日涵教授は「中国は交渉は歓迎するが、米国の戦略的脅迫が決してあってはならない」と指摘した。黄教授は「トランプ大統領は不安を助長し、戦略的脅迫と極限の圧力を通じて利益を得ることが得意だ」として、「中国はこのようなトランプ大統領の戦略をよく研究している」と説明した。この日、英国フィナンシャル・タイムズ(FT)も「トランプ大統領は、習近平主席が自身と対話するだろうと示唆したが、中国で論議できる合意案を(米国が)先に用意しなければ、会談に応じない可能性が高い」と指摘した。

北京/イ・ジョンヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/1191818.html韓国語原文入力:2025-04-10 21:01
訳M.S

関連記事