イランの攻撃によりエネルギー生産施設に被害が出ているカタールが、韓国を含む複数の国と結んでいる液化天然ガス(LNG)の長期供給契約について、「不可抗力(Force Majeure)」を宣言しうることを19日(現地時間)に表明した。
カタール・エナジーのサアド・アル・カービCEO(最高経営責任者)はこの日のロイターとのインタビューで、「イタリア、ベルギー、韓国、中国とのLNGの長期供給契約に関し、最大5年間の不可抗力を宣言しなければならない可能性もある」と述べた。不可抗力とは、天災や戦争などが発生した際に契約上の義務の履行が免除される法的条項。
18日にイスラエルがイランの海上ガス田「サウスパルス」を攻撃したことを受け、イランは「目には目」式の報復として、LNG精製施設が密集するカタールのラスラファン産業団地などを攻撃した。ラスラファンは世界最大規模のガス産業の拠点で、世界のLNG供給量の約20%を担っている。
アル・カービCEOによると、今回の攻撃でカタール・エナジーの輸出能力の17%を担う施設が被害を受け、復旧には3年から5年かかる見込みだという。同氏は「カタールとこの地域が攻撃されるとは夢にも思わなかった。それもラマダン中に、隣国のムスリム国家がこのような攻撃をおこなったということが信じられない」と衝撃を訴えた。
カタールは世界最大級のLNG輸出国の1つで、韓国もカタール産LNGの主な輸入国だ。韓国のLNG輸入量の25~30%ほどがカタール産。実際に最長5年にわたって不可抗力が発動されると、世界のエネルギー供給に大きな影響が及ぶとみられる。