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韓国は中国半導体の追撃をかわせるか【コラム】

登録:2025-03-10 20:16 修正:2025-03-11 00:10
jaewoogy_ma//ハンギョレ新聞社

 1980年代は日本の半導体の全盛時代だった。日本電気(NEC)、東芝、日立、富士通、三菱、松下など日本の半導体6社が揃って世界10大半導体企業に含まれた。1980年代半ばには世界DRAM市場の50%以上を占めた。

 しかし、1985年のプラザ合意で円の価値が2年間で2倍にも上がり、日本の半導体は価格競争力が弱まった。1986年には日米半導体協定が締結された。日本国内での外国半導体のシェアを20%以上に拡大し、日本企業が半導体を低価格で販売できないようにするなどの内容だった。

 日米半導体協定で日本の生産量の拡大に歯止めがかかり、1987年末から韓国のDRAM市場は好況サイクルが始まった。1983年にDRAM産業に進出した後、2千億ウォンを超える赤字が累積したサムスン半導体事業部は、1988年だけで3600億ウォンの利益を上げた。先制的な投資決定で1988年に4メガDRAM、1989年には8メガDRAMを開発し、1992年には64メガDRAMを世界で初めて開発し、技術力と市場占有率の両方で世界1位に上がる。一方、日本の半導体は衰退の道に入った。(イ・スンウ「半導体オデッセイ」)

 韓国の半導体産業はその後、数回のチキンゲームを経て日本を確実に押し出し、世界の半導体市場の強者として地位を占めた。しかし最近、韓国の半導体産業が揺れている。先月、韓国の半導体輸出額は前年同期比3%減の96億ドルと集計され、16カ月ぶりにマイナスに転じた。これには、チャンシンメモリーテクノロジー(CXMT)を筆頭にした中国の半導体企業の低価格攻勢と供給過剰で半導体価格が大幅に下落したことが影響を及ぼした。グローバルDRAM市場はサムスン電子、SKハイニックス、米国マイクロンが95%以上のシェアを占めていた。 しかし、CXMTが急速に成長し、昨年の市場シェアを5%まで引き上げた。今年はシェアが10%を超す可能性があるとの見通しが出ている。韓国科学技術企画評価院は最近、韓国の半導体技術の水準が中国にすべての分野で追い越されたという専門家アンケート結果を発表し、衝撃を与えた。

 フィナンシャルタイムズは先月、CXMTの成長傾向を分析する記事で「1980~1990年代に韓国の半導体企業らが日本をメモリー市場から押し出した方式と類似した現象が、いま韓国企業に起きている」と警告した。韓国の半導体産業は中国の追撃をかわせるのか。

アン・ソンヒ論説委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1186228.html韓国語原文入力:2025-03-10 18:40
訳J.S

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