サムスン電子のDRAMの販売シェアが30%台に落ちたことが分かった。2位のSKハイニックスとの差は3%以下に縮まった。サムスンの高帯域幅メモリー(HBM)不振が続き、「DRAM1位」の座も危うくなった。
28日、台湾の市場調査機関「トレンドフォース」の集計によると、サムスン電子は昨年第4四半期に全世界のDRAM市場で販売シェア39.3%を記録した。2023年第4四半期の45.5%から昨年第3四半期には41.1%へと徐々に低下したのに続き、第4四半期にも下落した。トレンドフォースの集計でサムスン電子のシェアが30%台に下がったのは、半導体不況で減産を断行した2023年を除いては珍しい。
これは、HBMをはじめとする先端DRAM製品で苦戦した結果とみられる。SKハイニックスは昨年3月からNVIDIA(エヌビディア)に第5世代高帯域幅メモリー(HBM3E)を供給し始めた反面、サムスン電子は最近までNVIDIAから「青信号」を受け取れなかったと知られている。その一方で、サムスン電子の旧型DRAM(DDR4・LPDDR4)への依存度は相対的に高まっている。サムスン電子のDRAMの売上のうち、旧型製品の割合は昨年は30%台だったのに対し、ハイニックスは20%水準だった。人工知能(AI)ブームの影響圏外である旧型DRAMは、需要不振で価格が下がる傾向にある。
2位のハイニックスの追撃はさらに激しくなった。「HBM強者」のハイニックスは昨年着実に上昇傾向を続けた末、第4四半期のシェアは36.6%を記録した。今やサムスン電子とハイニックスの差はわずか2.7ポイントだ。サムスンのDRAM販売1位の座が危うくなったという評価が出ているのもそのためだ。サムスン電子のDRAM生産可能量がハイニックスを大差で上回る点を考慮すれば、その含意は軽くない。
米マイクロンテクノロジーのシェアは、昨年第3四半期の22.2%から第4四半期は22.4%へと小幅上昇した。トレンドフォースは、サーバー用DRAMとHBM3Eの出荷で安定したシェアを記録したと評価した。中国のChangXinメモリーテクノロジー(CXMT)は集計から除外されたと推定される。