最悪の少子化と高齢化、人口減少で、韓国への外国人の流入が拡大し続けている。しかし、彼らの国内への定着を支援する制度は依然として足踏み状態だと指摘されている。
法務部の「出入国・外国人政策統計月報」によると、韓国国内の外国人滞在者は1月末現在で244万8401人で、昨年同月に比べ14.1%増加した。このうち長期滞在外国人は189万3911人で、短期滞在者(55万4490人)の3倍を超える。国内滞在外国人の規模は2021年末には約196万人だったが、2022年末には225万人、昨年末には251万人となり、総人口の5%に迫る。
政府も外国人労働者と移民の受け入れを徐々に拡大しつつある。地方や中小企業などを中心として人口絶壁問題が年を追うごとに深刻化するにつれ、外国人材の受け入れは「選択」ではなく「必要不可欠なもの」と考えられるようになっているわけだ。外国人季節労働者の配置や雇用許可制(E-9)ビザの発給、熟練技能人材の年間クォーターの拡大などと共に、人材不足問題が深刻な広域・基礎自治体のための地域特化型ビザのモデル事業も推進されている。地域の人材需要を反映した地域特化型ビザを発給するとともに、外国人材を定着させることによって生活人口を増やす、との趣旨だ。本年にモデル事業が開始される「外国人家事労働者」の導入によってケアやサービスの分野も門戸を開放する予定だ。
しかしこのような政府の政策は、国内で不足している「労働力の供給」に主に焦点を合わせているに過ぎず、肝心な外国人の定住条件の整備などの定着支援は相対的に疎かだと指摘されている。既存の雇用許可制ビザを取得している外国人労働者は、事業所の変更が難しいため劣悪な条件でも泣く泣く働き続けなければならなかったり、賃金などで差別待遇を受けたりするというのが代表的な例だ。外国人家事労働者は韓国の最低賃金の適用から排除しようという主張も波紋を呼んでいる。
与党「国民の力」のハン・ドンフン非常対策委員長が法務部長官時代の昨年7月に、大韓商工会議所の済州フォーラムで、「移民政策は平等や公正の領域ではない。徹底して韓国国民の幸福と国益のためという方向性で実施されるべきだ」と発言したことからも、このような政府の政策基調がうかがえる。特に育児や介護などのサービス労働の場合は人を対象としているため、「外国人材を安く導入して活用しよう」という態度は批判と悪影響を招きうるという懸念もある。対外経済政策研究院のチャン・ヨンウク副研究委員は、「働く事業所の変更を難しくしている規定を緩和したり、住居支援を強化したりするなど、外国からの移民が内国人と同等な構成員となれるよう支援すべきだ」と話した。