来年、雇用許可制に基づき韓国に入国し働ける外国人労働者の規模が、過去最大の16万5千人に確定した。これらの人たちが働ける業種の範囲も飲食店、林業、鉱業などに拡大される。労働界は外国人労働者の処遇の保障や国内労働市場に及ぼす影響を考慮しない政策だと反発した。
韓国政府は27日、ソウル鍾路区(チョンノグ)の政府ソウル庁舎で外国人材政策委員会を開き、「2024年外国人労働者導入運用計画案」と「新規業種への雇用許可制の導入推進案」を確定した。雇用許可制は、人手不足に苦しんでいる中小企業が外国人労働者を雇用できるよう、E-9ビザ(非専門就業ビザ)を発給する制度だ。2022年までは5~6万人水準だった1年の雇用限度は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足後に急激に増え、今年12万人、来年16万5千人に達することになった。これは2004年の雇用許可制施行以来、最大規模だ。
政府は来年の外国人労働者の雇用限度を大きく拡大した背景について「生産人口の減少など構造的要因が依然として残っている中、人手不足の比重の高い一部サービス業を中心に外国人労働者(の導入)要求が続いている」と説明した。業種別の外国人労働者の配分を見てみると、サービス業は今年2870人から来年1万3千人へと5倍近く増える。
外国人労働者の導入を認める業種も、飲食店業や林業、鉱業にまで拡大される。飲食店の場合、来年4月から事業主の申請を受け、外国人労働者の導入手続きが始まる見通しだ。まず全国100市郡区(世宗と済州を含む)の韓国料理店の料理補助業務に限定し、外国人労働者の雇用を認め、以後全国への拡大を検討することにした。これまで飲食店で働ける外国人は、中国(在外)同胞や留学生ぐらいだった。劣悪な労働環境のため韓国人労働者が不足していた林業と鉱業も、来年7月から申請により外国人労働者の雇用が認められる。
韓国労働組合総連盟は同日、報道資料を出し「国内労働市場に及ぼす影響、該当する業種の労働界との議論、従来の導入業種に対する評価および改善方向のない拙速な政策推進の中止を求める」と反発した。