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追撃されたサムスン電子…スマートフォンに続き半導体も「グローバル1位」奪われ

登録:2024-01-18 19:44 修正:2024-01-19 08:01
サムスン電子が昨年、半導体の売上でインテルに1位の座を明け渡したとガートナーが17日発表した。写真はサムスン電子平沢キャンパス生産第3ライン=サムスン電子提供//ハンギョレ新聞社

 サムスン電子が世界のスマートフォン出荷量1位の座を13年ぶりにアップルに明け渡したのに続き、半導体も売上1位の座を逃した。サムスン電子のイ・ジェヨン会長は就任以後「超格差」(競争者が跳び越えられない差)を強調しているが、スマートフォンとメモリー半導体に対する売上への依存度が高かったサムスン電子の脆弱な「基礎体力」が明らかになったと指摘されている。

 17日、市場調査機関ガートナーの発表によると、サムスン電子の昨年の半導体事業の売上は前年比37.5%減の399億ドルと集計された。総合半導体企業のインテルが487億ドルの売上を上げ、サムスン電子より多かった。サムスンは2021年にインテルを抜いて世界半導体売上1位に上がったが、これを再び明け渡したことになる。

 市況の影響が大きいメモリー半導体が不振だったサムスン電子とは異なり、インテルはサーバーやPCチップなど事業領域が分散したため、売上減少幅が少なかった。昨年の半導体全体の売上は、前年より11.1%減少した5330億ドルと集計された。

 新しい産業に迅速に対応し、ポートフォリオを多様化し、売上成長を成し遂げたグローバル企業とは異なり、サムスン電子はメモリー半導体事業に比重が集中している。売上の70%以上を占めるといわれるメモリー事業への集中度を下げるためにファウンドリ投資を拡大中だが、台湾のTSMCとの圧倒的シェア格差を狭められずにいる。トレンドフォースの調査の結果、昨年第3四半期のTSMCとサムスン電子のファウンドリのシェア(売上基準)はそれぞれ57.9%、12.4%だった。

 人工知能(AI)半導体の駆動に欠かせない高帯域幅メモリー第4世代製品(HBM3)も、SKハイニックスに技術主導権を奪われた様子だ。サムスン電子が主要な顧客会社である米NVIDIA(エヌビディア)の製品受注に苦戦している間、ハイニックスだけが第4世代製品を数カ月先に独占供給した。サムスン電子の元役員は「最高経営陣が半導体事業で重要な意思決定に失敗し、重要な人材の一部もライバル会社に移った」と状況を伝えた。

 同日午後、サムスン電子半導体事業部(DS)では、キョン・ゲヒョン部門長(社長)により緊急役員会議を開かれ、常務級以上の役員500人余りの今年の年俸を凍結することにした。半導体需要不足という業況のせいにするより「今年の危機を克服しよう」という意志を示す狙いだ。

 スマートフォン出荷量1位から下がったことも痛手となっている。市場調査機関IDCの調査によれば、アップルの昨年のスマートフォン出荷量は2億3460万台で、サムスンの2億2660万台を追い抜いた。サムスンは中低価格スマートフォンであるギャラクシーAシリーズなどを前面に出したが、13年間守ってきた1位の座を明け渡した。匿名を要請したある証券会社の研究員は「サムスンが昨年プレミアムフォン事業に集中している間、中国企業の中低価格フォン市場での影響力が大きくなった」と話した。アップルのiPhoneとプレミアムフォンの競争で格差を縮めることができず、かえって中国ブランドに市場を蚕食されたということだ。中国のシャオミ、オッポ、Transsion(伝音科技)は、内需とインド・アフリカ市場を基にそれぞれ1億4590万台、1億310万台、9490万台の出荷量を記録した。

 主力事業が振るわない中で、サムスン電子の新しい「成長動力」が見えないという市場の評価も多い。サムスン電子のハン・ジョンヒ副会長は、昨年に続き今年も「CES(米国で開かれる電子機器見本市)」で大型買収合併について「今年は何かが出てくるだろう」とし、待ってほしいという言葉を繰り返した。サムスン電子は2017年、電装産業強化のために約9兆2千億ウォン(約1兆円)かけてハーマンを買収した後、大型買収・合併がなかった。サムスン電子の全体売上は、2017年の240兆ウォンから2023年は258兆ウォン(暫定)と、事実上停滞状態だ。

 サムスン電子のイ・ジェヨン会長が年明けから次世代通信技術開発現場や技術専門家(サムスン名匠)に会って、連日のように技術競争力を強調したのも、追いつかれた技術リーダーシップを取り戻すためのメッセージとみられる。同日、サムスン電子の株価は前日より2.20%下落した7万1000ウォンで取引を終えた。AI半導体に対する期待から、NVIDIAは前日より3.06%上がった563.82ドル、AMDは8.31%上がった158.74ドルで取引を終えた。

オク・キウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1124893.html韓国語原文入力:2024-01-18 13:24
訳J.S

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