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青と赤だけの国、韓国【寄稿】

登録:2026-05-26 02:58 修正:2026-05-26 08:19
シン・ヨンジョン|漢陽大学医学部教授
共に民主党のチョン・チョンレ代表が22日、江原道江陵市注文津で、ウ・サンホ江原道知事候補と選挙演説をおこなっている(左)。国民の力のチャン・ドンヒョク常任選挙対策委員長が22日、京畿道安養市の凡渓交差点でヤン・ヒャンジャ京畿道知事候補、キム・デヨン安養市長候補と手を取り合って支持を訴えている=共に民主党提供、聯合ニュース

 青と赤だけの国がある。6月3日に地方自治体の首長選挙が行われるが、不思議なことに公約の影響力は失われて久しい。着ている服の色が当落を決めるからだ。ラッシュアワーの混雑する電車の中、多くの人の目は携帯電話の中の自分の株が青か赤かを確認するのに忙しい。

 二大政党制はいくつかの長所があるにもかかわらず、現在の韓国社会では、少数者の利益を構造的に排除し、政策の多様性を抑圧する主要な装置として機能している。保健福祉分野だけでも、家族の介護の法定最低賃金保障制、医療社会的協同組合の活性化、公立病院20院設置、18歳以下の病院費用100万ウォン上限制、地域主治医制度の実施、保健支所の拡充など、少数政党から提案された良い公約があるにもかかわらず、巨大な二大政党は関心すら持たないどころか、自分たちの公約すらこれといったものを示していない。約200の労働者、市民、農民、女性団体などが連帯組織を結成し、地域間の統合ケアの格差解消と完全なケア権保障を訴えているが、これも今回の選挙では当落の変数になりそうにない。

 ただでさえ、分断された国での二大政党制は知らず知らずのうちに韓国社会に二分法的思考を強いる。これは逆に、自らの集団を偏愛し、相手の集団をおとしめる構造を強める。相互理解と理性的な議論を妨げ、民主的な熟議を不可能にする。何よりも二大政党制が現在引き起こしている深刻な問題は、反憲法的な内乱に加担しながら無反省の極右政治家、民主化運動で亡くなった英霊に対して「タンク」などという言葉で侮辱する反人倫的な犯罪者たちが、二大政党制の提供する1/2の権益の中で生き残り、好き勝手に振る舞っているということだ。

 株式市場が政治力の象徴になっているのも問題だ。KOSPIが8000を超え、どこもかしこも株の話でもちきりだ。李在明(イ・ジェミョン)大統領に対する評価も株価に連動している。しかし、株価で統治レベルが評価される社会には致命的な問題がある。何よりも労働がわい小化される。365日の徹夜労働の代価として得る1年分の給料を、ある人は一晩で稼ぐとしたら、誰が田畑を耕し、工場を回し、誰がケガや病気の人を世話するのか。また、株式市場は民主的な空間ではない。国民投票のような1人1票制ではなく、1株1票制だ。それは、72%の株を保有する男性が28%しか持たない女性の2.6倍の権力を持ち、上位10%の超高所得・大資産家が配当金の91.3%を得、下位70%の大多数の一般株主がわずか1.6%ほどを分け合う構造だ。しかも1株も持てない約54%の成人は、この空間では発言権すらない。このような非民主的な性格を持つ株式市場が、韓国の社会と政治を代表してはならない。大統領は株の所有者だけの大統領ではないことを肝に銘じよ。

 ならばどうするか。比例代表制の拡大や連動型の導入、中・大選挙区制への移行など、既存の大政党が約束したことを実行し、制度化すべきだ。株式市場もまた、韓国社会の所得の不平等を強めるのではなく、改善する装置となるようにすべきだ。透明な民主的統制の下に置くべきだ。小説家のチョ・セヒ先生は「耕者有田」、耕す者だけが土地を所有できるという原則にこだわって生きた。金が金を稼ぐ世、労働が尊重されない世にあって、果たして平等な世の中を夢見ることができるだろうか。

 残念ながら、この二つはいずれも今回の選挙で実現できる主な課題ではない。それでも、はじまりはいつも「今」からだ。この世で人間が作り上げたすべての制度は、政治過程を通じたものだった。したがって、今回の選挙でも小さな希望を作ることからはじめるべきだ。今回もやはり、目覚めた「老練な」市民が必要だ。清算すべき候補は必ず落選させ、青か赤かだけを信じる候補ではなく、良い公約を作り、それをきちんと実行する候補を選ぶべきだ。毎日互いに変化しつつも、社会正義のためには小さな違いを乗り越えて喜んで連帯する、一段上の政治体制を韓国に根付かせる選挙としなければならない。青と赤だけの国は後進国、非民主的な国だ。極右と「イルベ」が陰で大きな顔をしている社会だ。どうか、すべての人にあらゆる色を認めよ。青や赤といった政党の色や株の光ではなく、それぞれが自分なりの色を放てるようにせよ。そもそも現政権は昨年の寒い冬に広場の色とりどりのペンライトが生み出した政権ではなかったか。

 ちょうど昨日は釈迦生誕日(旧暦4月8日)だった。私は仏教徒ではないが、好きな格言がある。「雑華厳飾」。色の異なる様々な花が調和し、荘厳で美しい世界を作り出すという意味だという。そんな世界を夢見ている。

//ハンギョレ新聞社

シン・ヨンジョン|漢陽大学医学部教授 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1260216.html韓国語原文入力:2026-05-25 05:00
訳D.K

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