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トヨタもバッテリーに全力…現代車、水素・バッテリーの「二股戦略」成功するか

登録:2021-09-14 05:31 修正:2021-09-14 09:15
水素かバッテリーか…電気自動車の「競争優位論争」広がる 
トヨタ「バッテリーに1兆5千億投資」 
現代車は水素とバッテリーの二股戦略
現代自動車の水素自動車(FCEV)「ネッソ」=現代自動車グループ提供//ハンギョレ新聞社

 自動車は水素産業の未来を占う中核分野だ。自動車業界では最近、水素燃料電気自動車とバッテリー電気自動車の競争の優位性をめぐる論争が激しい。

 現在、完成車メーカーが生産する電気自動車は、バッテリーを搭載した電気自動車(BEV)と水素燃料電池を搭載した電気自動車(FCEV)の2種類に分けられる。どちらも電気でモーターを回して動かすが、電気エネルギーを作る方法が異なる。BEVは自動車に充電プラグを差し込み、バッテリーを充電する。いっぽうFCEVは、車両内のタンクに水素を入れれば、発電機の役割を果たす燃料電池が空気中の酸素と水素を結合して電気を生産する。

 業界の論争が広がっているのは、現代自動車に続き、世界で2番目に水素自動車の量産を開始した日本のトヨタが先日、大々的なバッテリー事業への投資計画を打ち出したためだ。電気自動車事業への転換が遅れたトヨタは7日、バッテリーの研究開発と設備の構築に、2030年までに1兆5000億円を投資し、年間200ギガワット時(GWh)以上のバッテリーを生産するとの方針を発表した。水素自動車3位の日本のホンダも、最近、水素自動車の生産中止を決定した。バッテリー電気自動車より相対的に高い車両価格や燃料費、水素充填インフラの不足などのために水素自動車の販売が低迷し、収益性が悪化したためとみられる。ドイツのフォルクスワーゲンは、早くから水素自動車ではなく、バッテリー電気自動車に全力を注いでいる。同社は2019年に発行した報告書で「水素自動車は充填の速さや重いバッテリーがないなど長所が多いものの、エネルギー効率と費用の面で決定的に非効率的」と述べている。

 もちろん主要完成車メーカーがすべて脱水素の隊列に加わったわけではない。ドイツのBMWは最近、ドイツのミュンヘンモーターショー(IAA)で水素自動車の試作品「iXハイドロゲン」を発表した。現代自動車と同様、BEVとFCEVの二股戦略を取っているわけだ。今年1~7月に水素自動車販売台数で世界1位(5300台)となった現代自動車は、公式にBEVとFCEVいずれも生産、販売する二股戦略を取っている。大手完成車メーカーの関係者は「少なくとも2030年まで内燃機関エンジンが搭載されたハイブリッド車を大量生産するというトヨタよりは、BEVやFCEVなどの電気自動車に集中するという現代車の戦略の方が、最近のエコ車の趨勢には合致していると思う」と語った。

パク・チョンオ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1011445.html韓国語原文入力:2021-09-13 09:06
訳D.K

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