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[社説]素材・部品の「日本依存度」過去最低、これに満足せずさらなる努力を

登録:2021-06-04 06:20 修正:2021-06-04 06:50
釜山港で輸出入物品を積み下ろしている様子/聯合ニュース

 韓国の日本産の素材と部品の輸入依存度が過去最低まで下がった。2019年の安倍政権による一方的な輸出規制に対抗し、韓国政府と企業が力を合わせ日本への依存度を減らすために多角的に努力した結果だという点で、喜ばしいことだ。今までの成果に満足せず、国産化とサプライチェーンの多角化に向け、よりいっそう努めてほしい。

 3日の産業通商資源部の統計によると、今年1~4月の韓国の素材と部品の輸入額648億ドル(約7兆1500億円)のうち、日本製品は97億ドル(約1兆1000億円)で15%を占めた。昨年同期間の16.1%より1.1ポイント低下した。関連する統計が作成された2001年以降では最低値だ。

 安倍政権は2019年7月、韓国最高裁の日帝強制動員への賠償判決に対する報復として、韓国の半導体産業を狙い、突然、フッ化水素など3種類の重要な素材の輸出を規制した。これは、素材・部品・装置の過度な日本への依存の危険性を悟らせ、数十年間遅々として進まなかった国産化に再び拍車をかけるきっかけとなった。政府が「素材・部品・装置競争力強化対策」を発表し、官民が協力し国産化とサプライチェーン多角化に向かい、対日依存度が低くなり、産業競争力が高まった。日本の輸出規制を、災い転じて福となす好機として活用したのだ。

 ただし、素材と部品の対日貿易収支が相変わらず赤字であることは、解決しなければならない課題だ。今年1~4月の素材と部品の対日貿易赤字は54億ドル(約6000億円)で、昨年同期間より7億ドル(約770億円)増えた。また、日本への依存度は低下したが、中国産の素材と部品の輸入割合が増えたことは、警戒しなければならない点だ。中国産の素材と部品の輸入割合は昨年29.1%で、今年は30.1%と初めて30%を超えた。英国の「フィナンシャル・タイムズ」は、韓国は電気自動車のバッテリーでは先行しているが、実際にはバッテリーの原材料は中国に大きく依存していると指摘した。日本でも中国でも、特定の国に過度に依存することは避けなければならない。特に、米中対立でグローバル・サプライチェーンをめぐる不確実性が高まっているという点でなおさらだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/997948.html韓国語原文入力:2021-06-04 02:39
訳M.S

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