本文に移動

スパイ10人が国家変乱を準備し野党圏統合を主導?

原文入力:2011/08/25 22:02(1983字)
キム・テギュ記者


‘旺載山(ワンジェサン)事件’捜査発表 疑問
検察、北韓指令文など1600件 押収物 分析
"主要施設爆破陰謀・選挙にも介入" 明らかに
軍事情報・衛星写真も既に知られていたり購入も可能


←25日午後 ソウル、瑞草洞のソウル中央地検でイ・ジンハン公安1部長が北韓の指令を受け南朝鮮革命を目標に動いたという反国家団体‘旺載山’事件の中間捜査結果を発表し、組織体系図を説明している。 キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr


検察は25日‘旺載山事件’捜査結果を発表し「被疑者ら全員が黙秘権を行使したが、押収物を通じて実体を把握した」と説明した。検察はこういう自信の根拠として広範囲な‘物証’を提示した。

検察は押収捜索等を通して北韓の対南工作部署である225局が旺載山に送った指令文、旺載山が北韓に送った報告文など計1600件余りの証拠物を確保したと明らかにした。ここには旺載山組織員らの忠誠誓約書(25件),ステガノグラフィ(秘密メッセージを平凡な文書に偽装する最先端暗号化プログラム) 230件などが含まれている。この指令と報告内容などを総合してみれば、旺載山は主要施設爆破を準備したり野党圏統合を主導する‘大きな絵’を描いていたとのことが検察の説明だ。しかし、旺載山組織員らの面々や規模、活動半径などを考慮する時、彼らが‘大韓民国の存立を脅かす実質的な害悪’を及ぼしたかは疑問だ。


検察は 「旺載山が仁川地域を革命の戦略的拠点化するために主要施設および軍部隊などを掌握したり爆破する陰謀を準備するなどの国家変乱をたくらんでいた事実が確認された」と明らかにした。民主労働党所属区庁長を輩出した仁川の南洞区(ナムドング)と東区などを対象に「2014年までにこれら地域の行政機関と放送局などを有事の際に掌握できるよう準備」させたということだ。


しかし、こういう活動状況は文書の内容だけのことだ。検察が明らかにした旺載山組織員は拘束された5人と不拘束捜査中の5人、合わせて10人だ。対北韓報告文には「有事の際に動員できる組織的力量は200人余り」と明らかにしたが、その実体は確認されていない。たとえ200人を動員できるとしても、非武装状態で軍部隊・行政機関・放送局を掌握するというのは‘空想’に近い。だが、検察関係者は「北韓指令文に反米闘争のためにどこに行けと言われれば実際に現場に行った写真がある」として「報告内容は誇張されたものではないと考える」と話した。


この組織は野党圏統合にも影響を及ぼそうとしたというのが検察の主張だ。北韓は去る5月「○○○党の統合反対勢力は○○労総などが内外挟撃を突きつけ統合に責め立て、統合が破綻する場合には○○○党を枯死させよ」、「○○○○党はイラク派兵主張などに対し公開反省する場合、統合に参加させよ」という指令を打電したという。これに対し旺載山は昨年6月地方選挙直後「組織員が熱心に闘争し○○党候補中、既往の抱き込み対象者○○○を市会議員に、○○○を区議員に当選させた」と応答もした。だが、野党圏統合は各党の路線と利害関係が衝突し複雑に絡まっている状態だ。北韓が介入しようとすれば、むしろ逆作用が起き、旺載山のような小規模組織では統制できない規模だ。


彼らが探知し渡したという‘軍事情報’も公開されているものが大部分だ。米軍野戦教範は全米科学者協会(FAS)ホームページで入手することができ、国内衛星写真集も2005年収集当時15万ウォンを払えば買えたという。すでに知られている内容や入手のたやすいものなども「漏洩する場合、反国家団体には利益となり大韓民国には不利益を招く危険性が明白ならば」国家保安法違反と見なすという最高裁判例が今回の事件のような捜査の根拠になっているわけだ。


今回の捜査過程では‘捜査保安’を理由に被疑者の防御権が制限され破裂音を産みもした。「捜査の妨害となる憂慮がある時には書類閲覧制限意見を提出でき、判事はこれに伴い閲覧を制限することができる」という刑事訴訟規則により総責任者キム・某氏の弁護人は、拘束令状の内容を閲覧できないまま実質審査に入らなければならなかった。キム氏の弁護人の抗議で令状閲覧が一歩遅れてなされ翌日に実質審査が再開されるパフォーマンスが演出された。民主社会のための弁護士会は検察・裁判所の令状閲覧不許可処分に対し憲法訴訟を出した状態だ。キム・テギュ記者 dokbul@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/493445.html 訳J.S