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"韓国、世界最悪の日本事例になぜ倣おうとするのか"

原文入力:2011-01-19午後09:22:32(1829字)
共同通信で22年 記者生活した浅野 日本同志社大教授
"新聞社が放送を支配したことによりジャーナリズムが死んでしまった"

チョン・ナムグ記者

←浅野健一 日本 同志社大教授.

 "新聞社に放送を渡した結果、日本ではジャーナリズムが死んでしまった。"
<共同通信>で22年間 記者として仕事をし外信デスクを歴任した浅野健一(62)日本同志社大教授は去る13日<ハンギョレ>と行ったインタビューで、韓国政府が新聞社らに総合編成チャネルを大挙渡したことについて「なぜ世界最悪の日本事例に倣おうとしているのか理解出来ない」と話した。

 日本は田中角栄総理時期の1972年、事業拡張に限界を感じた新聞社らの要求により政府が首都東京を放送地域とする広域放送会社の持分調整に乗り出し、新聞社による放送経営権を確立した。読売新聞-日本TV、朝日新聞-TV朝日、産経新聞-フジTV、日本経済-TV東京、毎日新聞-TBSという系列構造がその時に作られた。127ヶに及ぶ民間放送社の大部分はこの5ヶ所から番組の85%を供給されている。5社の基地局の役割に留まっているわけだ。

-日本言論をどのように評価するか?

 "ジャーナリズムを全く実現できずにいる。先進国中で最悪で、韓国や台湾より駄目だと考える。日本の言論らは生活保護対象者が数百万名に及んでいる現実、植民地時代に日本が犯した犯罪、米軍駐留問題や暴力団問題など本当に重要な問題は扱わない。何が問題で、なぜ起きているのか、どのように解決するのか、それを扱うのがジャーナリズムではないか。"

-なぜそうなのだろうか?

 "寡占の問題が最も大きい。いくつかの新聞社が日本の言論を完全に支配している。テレビ放送もラジオも出版社も新聞社たちが支配している。新聞社が放送も支配したことによりジャーナリズムが死んでしまった。"

-新聞社の放送所有がどうしてジャーナリズムを亡ぼすことになるのか?

 "電波利用許可は5年ごとに更新を受けなければならない。権力が首輪を握っている。新聞社の金脈は放送だ。例えば<産経新聞>はフジTVが稼ぎ出す金がなければ支えられない。だから、放送だけでなく新聞社も権力批判を自粛することになったのだ。1970年代からこういう現象が明確になった。日本では総務省出身者が放送会社に落下傘役員として下っていく。"

-日本での報道機関と権力の関係はどうなっているのか?

 "政府は記者クラブの独占的取材システムを保護し、メディア経営も管理してくれる。私は日本の政治を立法、行政、司法に言論を含めて4権分立体制だと見る。私は日本の記者を国家公務員の一種だと言っている。もちろん記者の給与は公務員の1.7倍程度に多い。大きな新聞社の1年目の記者年俸が750万円(約1億ウォン),3年目なら1000万円ほどになる。テレビ放送局で50代になれば年俸が2000万円を越えるが、それは東大総長水準だ。そうなれば弱者、迫害を受けている人、少数者などの境遇に視線を転じにくい。日本ではジャーナリズムの概念自体が弱い。言論関連学科を設けている日本の大学は、同志社大学をはじめ全国に4ヶ所だけだ。<毎日新聞>以外の日本の新聞は、記事にその記事を書いた記者の名前を書かない。

-韓国でも今回 新聞社らに放送局を大挙許可した。

 "新聞社がテレビを持つということは話にならない。新聞社がテレビ放送局を持っている国は世界で唯一日本だけだ。新聞社が放送局を持つようになれば新聞が壊れる。新聞社が放送局を経営するのはサッカーをしながら同時に野球をするようなものだ。二つのメディアはすることが違う。"

-メディア産業の競争力強化のために新聞-放送の兼営が必要だという主張もある。

 "それは、ひたすら強い者だけが生き残らなければならないという誤った論理だ。何でも強いものが勝つ社会ならば、最後にはどの分野でも一人だけが残ることになるだろう。言論、特に放送は可能なかぎり多くの人に機会が与えられなければならない。"

京都/文・写真チョン・ナムグ特派員 jeje@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/media/459533.html 訳J.S