旧正月の連休期間中、韓国と東南アジアのネットユーザーが、互いに嫌悪や蔑視の言葉を応酬する激しい口論を繰り広げた。表面的には、双方のK-POPファンダムの対立が発端だったが、韓国社会の「東南アジア蔑視」に対する積もり積もった怒りが噴出したかたちだ。韓国社会の人種主義的態度が、「多様性」を動力とする韓流ブームに悪影響を及ぼすという懸念も指摘されている。
先月31日にマレーシア現地で開催された韓国のボーイズバンド「DAY6」の公演後、X(旧ツイッター)などのソーシャルメディア(SNS)では、韓国と東南アジアのさまざまな国のネットユーザー間で“泥仕合”が繰り広げられた。当時、公演に来ていた韓国人ファンが持ち込み禁止の、いわゆる「大砲カメラ」(望遠レンズを装着したカメラ)で撮影を試みたことが発覚し、マレーシアのK-POPファンたちが公演観覧のマナーを指摘したことが発端だった。一部のマレーシアのファンたちがその韓国ファンの顔をSNSに投稿し、容姿を嘲笑する投稿をしたところ、韓国のネットユーザーたちは、東南アジアのK-POPファンたちの容姿と食文化を蔑視する内容を投稿しはじめた。これに、他の東南アジア各国のネットユーザーたちが「韓国人は整形中毒」と書いて対抗したことから、口論は「韓国vs東南アジア諸国」の構図に拡大した。
一部の韓国のネットユーザーは「個人情報暴露」にも乗り出した。口論に加わったある東南アジアの国出身のK-POPファンのSNSアカウントを追跡し、韓国で働く移住労働者(外国人労働者)である事実を突き止めると、個人情報を暴露して“さらし者”にする事態が発生したのだ。韓国のネットユーザーたちは、「韓国で金を稼いで嫌韓をしている」「『休んでいる(働いていない)青年』が韓国にこれほど多いのに、外国人枠で簡単に就職している」と書きこむなど、「移民ヘイト」感情に基づく反応を噴出させた。
対立が激化すると、東南アジア各国のネットユーザーが「#SEAbling」というハッシュタグを付けて「連帯」する動きが広がった。「SEAbling」は、東南アジア(Southeast Asia)と兄弟姉妹(sibling)の合成語で、昨年、インドネシアの配達労働者たちが主導した反政府デモに近隣諸国が連帯する過程で誕生した新造語だ。インドネシア現地メディア「コンパス」は12日、「(韓国のネットユーザーの)否定的なコメントや人種差別的な非難に対応し、東南アジアのネットユーザーたちは地域の連帯を強化するハッシュタグを通じて連帯を表明した」と報じた。
韓国社会の排他性が、「人種的多様性」を基盤とする韓流に悪影響を及ぼすという懸念が広がっている。K-POPファンダムが国際化しているだけでなく、韓国社会の多くの産業が移住労働者に依存しているにもかかわらず、これらの人たちをみる少なくない韓国人の感情は根拠のない蔑視にとどまっている。移住労働者労働組合のウダイ・ラダ委員長は「(移民の必要性だけでなく)韓国政府の必要に応じて移住労働者がやって来たのであり、移住労働者は韓国社会で自分の役割を果たしている。誤った憎悪をあおる言動が繰り返されており、苦々しい」と述べた。
K-POPコラムニストのチェ・イサクさんは「K-POPファンダムという共同体がとても巨大化したため、文化的差異による衝突は必然的」だとして、「カギは社会的マイノリティーを嫌悪する極右的傾向だ。K-POPをはじめ、韓国社会に対する関心が高まっているいまこそ、とるべき態度を見直す契機にする必要がある」と指摘した。