韓国国防部「民官軍合同特別諮問委員会」の未来戦略分科委が20日、「ドローン作戦司令部」の廃止を勧告したことを受け、一部の保守系メディアは「ドローンが重要になった現代戦の様相に逆行する」という反応を示した。ロシアとウクライナの戦争で見たように、ドローンが戦争の勝敗を分けるゲーム・チェンジャーに浮上したにもかかわらず、ドローン司令部を廃止すれば未来の核心戦力に穴が開くという主張だ。このような主張は、ドローンが未来の核心戦力であり、ドローン司令部が朝鮮半島におけるドローン作戦に欠かせず、実戦にも大きく役立つという判断に基づくものだ。
彼らはドローン司令部がなくなるとドローン作戦ができないと誤解している。ところが、未来の核心戦力はドローンであって、ドローン司令部ではない。ドローン作戦が重要だというのに、なぜ外国の軍隊にはドローン司令部がないのだろうか。
韓国のドローン司令部は地球上で唯一の部隊だ。軍当局はドローン司令部を「世界唯一の作戦司令部級の合同部隊」と説明する。韓国のドローン司令部のようにドローン戦力を専担運用する部隊がある国はない。世界最強の先端軍隊である米軍にもなく、ロシアと4年ほど熾烈なドローン戦争を繰り広げているウクライナの軍隊にもない。
ウクライナの戦闘部隊には、多様な形と規模でドローン部隊が編成されている。ウクライナ機動旅団の編制を見てみると、ドローン部隊が砲兵部隊、戦車部隊などと共に旅団編成に含まれている。ウクライナ軍でドローン部隊は基本戦闘要素に位置づけられ、従来の戦闘体系に組み込まれているのだ。
世界でドローン司令部がドローン戦力を総括運営する国は韓国以外にはない。ドローンは特別な武器ではなく、一線部隊で多く運用する武器であるため、特定の司令部がドローン作戦全体を統合・主導する必要がないと考えているからだ。昨年7月、ピート・ヘグセス米国防長官は米軍全体に小型ドローンの配置速度を高めるため、ドローンを弾薬と類似した消耗品に指定し、使用権限も現場指揮官に付与する内容の政策を発表した。
2024年、米国下院はロシアとウクライナの戦争の教訓をもとに、米陸軍にドローン兵科の創設を勧告した。しかし米陸軍は、ドローンはすべての戦闘部隊で運営する基本作戦要素であるから、特定の兵科に切り離すと、ドローン戦力の戦闘部隊統合を妨げる恐れがあるとして、これを拒否した。各級部隊がドローンを運用できる能力を備えなければならないが、これをドローン兵科に依存するのは望ましくないという見解を示したのだ。
米軍のこのような態度は、朝鮮半島有事の際、韓国と米軍とのドローン戦力の統合を難しくする。有事の際には、韓米連合司令部傘下の部隊で地上作戦、海上作戦、空中作戦、特殊作戦などの構成軍司令部が立ち上げられる。構成軍司令部は戦場領域別の指揮組織で、地上、海上、空中など領域別に韓米戦力を統合指揮・統制する。
韓米合同作戦の側面からすると、ドローン司令部には軍事的妥当性がない。韓米ドローン戦力が統合されるためには、合同ドローン作戦の構成軍司令部を設けるか、ドローン司令部が地上作戦の構成軍司令部など特定の構成軍司令部に入らなければならない。ドローン兵科創設を拒否し、ドローンを消耗品扱いする米軍が、韓国とドローン作戦構成軍司令部を作る可能性はない。有事の際にドローン司令部が特定の構成軍司令部に入るためには、解体されなければならない。そのためドローン司令部は、ドローン作戦が実際に必要な実戦状況ではなくなる可能性が高い。
何よりもドローン司令部には与えられた任務を遂行する能力を持ち合わせていない。ドローン司令部の任務は「北朝鮮の無人機挑発の撃退と報復」だ。ところが、ドローン司令部単独の力で侵入した北朝鮮の無人機を撃退することは難しい。空軍や首都防衛司令部などの支援を受けなければならない。
2023年9月創設以来、ドローン司令部は「北朝鮮の無人機挑発時に多量多種の先端ドローンを北朝鮮に投入し、攻勢的作戦を展開する」として強力な報復意志を明らかにしてきた。ところが、ドローン司には偵察用ドローンがあるだけで、威力の強い攻撃用ドローンがない。北朝鮮の無人機挑発の際、原点と指揮組織に対する大規模な報復能力がない。
軍では既存の軍事組織が担当できない(代替不可性)任務が生じた際、新しい部隊が作られる。韓国陸軍の場合、地上作戦司令部、軍団、師団、旅団、大隊など各級部隊にすでにドローン部隊を編成・運用している。軍団級以下の部隊は監視偵察目的のドローンを主に運用し、地作詞の直轄部隊であるドローンロボット戦闘団は作戦的水準の監視偵察と打撃任務を遂行できるという。北朝鮮の無人機挑発に対応するためには、従来の部隊に編成されたドローン戦力を強化すれば済むことなのに、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権はドローン司令部を急いで作った。
嶺南大学校軍事学科のチャン・ジェギュ教授は2024年11月に発表した論文「ドローン作戦司令部の創設の妥当性評価」で、「総合的に見るとドローン司令部の創設の妥当性は非常に低い」と指摘した。チャン教授は代替不可性▽外国の事例▽韓米合同作戦の側面で調べた結果、ドローン司令部の創設が非常に否定的だとし、このように分析した。教授は陸軍士官学校を卒業し、韓米連合司令部地上作戦課長、陸軍教育司令部基準教理課長などを務めた予備役陸軍大佐だ。