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【独自】韓国、飛行禁止区域をまず復元するのは…軍事的負担を減らし無人機対立を遮断

登録:2026-01-20 06:38 修正:2026-01-20 07:54
韓国政府、9・19軍事合意中「空中緩衝区域」を先に復元する方針
2018年9月19日、平壌の百花園迎賓館で、文在寅大統領(当時)と北朝鮮の金正恩国務委員長がソン・ヨンム国防部長官とノ・グァンチョル人民武力相が板門店宣言履行のための軍事分野合意文(9・9南北軍事合意)に署名する様子を見守っている=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 韓国政府が9・19南北軍事合意の中で「空中緩衝区域」(飛行禁止区域)を先に復元する方針を決めた理由としては、韓国は北朝鮮より空軍力と偵察能力がはるかに優れており、空中・海上緩衝区域の復元より比較的軍事的負担が少ないことをまず挙げられる。軍事偵察衛星、中高度・高高度の有・無人偵察機などを統合運営中の韓国軍としては、飛行禁止区域を復元しても監視・偵察システムには特別な空白が発生しないとみているからだ。

 2018年9月に締結された9・19軍事合意では、境界地域における偶発的な軍事衝突を防ぐために、地上・海上緩衝区域と空中緩衝区域が設けられた。軍事境界線の南北側に、戦闘機・偵察機など翼が固定された固定翼航空機の場合は東部地域で40キロメートル、西部地域で20キロメートルまで飛行禁止区域に定められた。ヘリコプターなど翼が回転する回転翼航空機の場合は10キロメートル、無人機は東部地域で15キロメートル、西部地域で10キロメートル、気球は25キロメートルまで飛行が禁止された。

 そもそも空中緩衝区域の設定は韓国にとって有利なものだ。軍事境界線から韓国の首都圏までの距離は40~50キロメートルで、有事の際には北朝鮮の戦闘機が数分以内に首都圏上空に進入できるが、平壌(ピョンヤン)は軍事境界線から190キロメートルほど離れており、緩衝区域の設定が韓国ほど切実ではなかったためだ。ところが、数年間にわたり南北双方が直面した「無人機による脅威」を根本的に遮断するきっかけとして活用できるという点から、北朝鮮が関心を示す可能性もある。文在寅(ムン・ジェイン)政権当時、南北軍事会談の際に北朝鮮も無人機への対処のため飛行禁止区域の設定に関心が高かったという。

 これに先立ち、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は北朝鮮の軍事偵察衛星打ち上げに対応し、2023年11月22日午後、9・19軍事合意のうち飛行禁止区域設定に対する効力停止を決め、飛行禁止区域の設定が対北朝鮮監視能力に深刻な制約を招いたと主張した。だが、9・19軍事合意当時、韓国側の首席代表だったキム・ドギュン元首都防衛司令官は「韓米が運用中の偵察資産の能力などを考えると、情報監視態勢に及ぼす影響はほとんどないことを当時韓米関係当局が確認した」と明らかにした。ただし2024年以後、北朝鮮は「敵対的二国」を前面に出し南北関係を全面的に断絶しており、韓国が飛行禁止区域を先制的に復元しても相応の措置を出す可能性は低い。

 9・19軍事合意は締結から2022年まで、南北境界地域で軍事的威嚇および衝突状況を予防する「安全ピン」の役割を果たしてきた。合意締結後の北朝鮮の浸透と局地的挑発は、2019年に0件、2020年に1件、2021年に0件、2022年に1件(尹錫悦政権発足後、北朝鮮の無人機が首都圏領空を侵犯)だった。この合意がある前の2010〜2018年の北朝鮮の対南挑発は非武装地帯における木箱地雷事件(2015年8月)など264件(浸透27件、局地挑発237件)だった。

 尹錫悦政権が北朝鮮の汚物風船散布などを理由に、2024年6月4日に9・19軍事合意を全面的に効力停止させた後、南北の軍事的緊張は高まり続けていった。韓国の北朝鮮向け拡声器放送の再開と北朝鮮の韓国向け拡声器放送の再開、北朝鮮の京義線・東海線陸路の爆破(2024年10月15日)、平壌への無人機浸透(2024年10月)など、12・3内乱事態直前まで朝鮮半島では一触即発の危うい状況が続いていた。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1240563.html韓国語原文入力:2026-01-19 21:01
訳H.J

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