「9・19南北軍事合意」の先制的かつ段階的復元を推進する李在明(イ・ジェミョン)政権が、まず軍事境界線(MDL・休戦ライン)上空の飛行禁止区域の復元を北朝鮮に提案する案を検討していることが、19日に確認された。地上・海上分野の合意を復元するより軍事的負担が比較的少ないという判断によるものだ。
韓国政府高官はこの日、「9・19軍事合意の全面復元に先立ち、飛行禁止区域の復元を北朝鮮に先制的に提案する案を国家安全保障会議で議論している」とし、「地上や海上の合意はまだ復元対象ではない」と述べた。政府は空中分野を皮切りに9・19軍事合意を復元する方針を固め、北朝鮮に提案する時期などを検討しているという。大統領府関係者は「李在明大統領の先制的かつ段階的な9・19軍事合意復元指針に従い、現在、方法と時期を具体化していく段階にある」と述べた。これに先立ち、李大統領は昨年、8・15光復節記念演説で「南北間の偶発的衝突を防ぎ、軍事的信頼を築き上げるために、9・19軍事合意を先制的かつ段階的に復元していく」と明らかにしていた。
2018年9月、文在寅(ムン・ジェイン)大統領(当時)と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が結んだ9・19軍事合意には、地上・海上・空中で一切の敵対行為を中止する内容が含まれている。空中分野(第1条3項)では軍事境界線に沿って南北に10〜40キロメートルの飛行禁止区域が設けられた。ところが、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が2023年11月、北朝鮮の軍事偵察衛星打ち上げへの対応として、飛行禁止区域設定の効力を停止した。その後、尹錫悦政権は2024年6月に9・19軍事合意の効力を全面停止させた。
飛行禁止区域が復元された場合、戦闘機、偵察機、無人機間の衝突の可能性が低くくなり、南北間の緊張が緩和される可能性がある。ただし、地上分野は再稼働した非武装地帯(DMZ)内の監視警戒所(GP)を再び撤収しなければならず、海上分野は北方限界線(NLL)問題と直結し、軍事的・政治的波紋が大きいという点で先送りされたものとみられる。
北朝鮮に飛行禁止区域の復元を提案する時期は、韓米合同演習の日程などを考慮して決定されるものとみられる。政府高官は「3月に韓米合同演習があり、4月に朝米会談が予想されるため、(提案の時期は)さらに論議しなければならない」と述べた。空中分野の措置は韓米合同演習の主軸である「空中作戦」とも連携しており、訓練日程と北朝鮮の反応を総合的に考え、時期を調整するという意味だ。