李在明(イ・ジェミョン)大統領が7日に随行記者団との懇談会で明らかにした韓中の合意の中には、中国による海上構造物の設置をめぐる西海(ソヘ)上での対立を防ぐため、海上境界の画定に向けた実務協議を開始するとの内容がある。
李大統領が懇談会で明らかにした西海構造物の解決策は2段階あるとみられる。ひとつは、中国によって設置された西海の構造物のうち軍事的転用の可能性があるため韓国側が最も神経をとがらせている「管理施設」を、中国が暫定措置水域の外に移設することだ。李大統領は「(中国が設置した構造物は)養殖場施設が二つと管理施設だという」として、「物議を醸しているから中国側が管理施設は撤収すると言ったため、おそらく移設することになるだろう」と語った。中国が実際にこの構造物を移設すれば、意味のある成果となる。
もうひとつは、韓中で西海における境界を明確に画定し、問題の素地をなくすことだ。李大統領は「線を引いて管轄を分けてしまえばすっきりするが、中間を共同管理として残す」として、「共同管理水域の中間に正確に線を引いて『その中で使えんばよい』と言えばすっきりするのではないか」と述べた。
中国は境界画定に向けた交渉を次官級協議として行うことに同意したといわれれるが、「中間線を正確に引く」のはそれほど容易ではない。韓中は1992年の国交樹立後、1994年に発効した国連海洋法条約に則り、1996年に200海里の排他的経済水域(EEZ)を宣言したが、西海は幅が400海里未満であるため、両国の排他的水域のかなりの部分が重なっている。重複水域の境界画定に進展がないため、両国は急を要する漁業問題の解決に向け、2000年に韓中漁業協定をまず締結した。漁業協定によって過渡的措置として重複水域に暫定措置水域(PMZ)が設置され、これまで共同管理水域とされている。
韓中は2014年の首脳間合意に沿って翌年から次官級の海洋境界画定会談を開始したが、2019年7月の2回目の会談以降、中断している。代わって局長級に引き下げて会談を続けてきたが、両国の主張する境界線が異なるため、協議は難航している。韓国は暫定措置水域上の仮想の中間線を主張しており、中国は東経124度の直線を境界線として主張している。
李大統領と中国の習近平国家主席が首脳会談を通じて海洋境界画定会談を次官級に再び格上げし、年内に再開することで合意したことは、韓中関係の改善に向けた両首脳の意志が込められていると解釈しうる。しかし、李大統領が明らかにした通りに「中間線を引いて境界を明確にすることに」中国が同意する可能性は、現在のところは高くなさそうだ。