韓国政府が大庄洞(テジャンドン)開発不正事件の控訴放棄決定に反発し、集団行動に出た検事長全員を一般検事に転補する案を検討していることが16日に確認された。
与党関係者は同日、ハンギョレに「政府が集団行動に出た検事長を刑事処罰、監察および懲戒、転補措置する案を検討中だと聞いている」と述べた。
これに先立ち、全国18人の検事長と8人の支庁長などは10日、検察のイントラネット「イプロス」に大庄洞開発不正疑惑事件に対する検察の控訴放棄と関連した追加説明を求める立場文を掲載した。検事長らはノ・マンソク当時検察総長職務代行が明らかにした立場に対し、「検察総長職務代行が示した立場には、控訴放棄の具体的経緯と法理的理由が全く含まれておらず、納得できない」とし、「控訴放棄指示に至った経緯と法理的根拠に対する詳細な説明をもう一度要請する」と主張した。
まず、政府は集団行動に出た検事長たちを一般検事に人事措置する案を検討している。検察庁法第6条は、検事の職級を検察総長と検事の2種類だけで区分しており、一般検事への補職移動は法律上の不利益を与える措置とは言えない。だが、実際に一般検事に転補することは、検察庁を指揮していた検事長の指揮権を剥奪することであるため、「降格」に他ならない。
これに先立ち、与党も14日に立場文を出した検事長たちに対する人事措置を要求した。共に民主党のキム・ヒョンジョン院内報道担当は「法務部長官は直ちに監察に着手し、抗命した検事長らに対する補職解任と転補を命じるべきだ」とし、チョン・ソンホ法務部長官に検事長らに対する転補と懲戒を促した。2007年3月、クォン・テホ元法務研修院企画部長(検事長級)がロビー事件に巻き込まれて一般検事に降格された事例がある。クォン元検事は人事発令処分取り消し訴訟を提起したが、裁判所は任用権者の人事裁量権を認め、2010年最高裁で原告敗訴が確定した。
さらに、政府は転補措置のほか、国家公務員法第66条(集団行為の禁止)によって、彼らを対象に捜査または職務監察に乗り出す案を検討しているという。最近、市民団体などは立場文を出した全国検事長18人を国家公務員法違反などの疑いで高位公職者犯罪捜査処に告発した。
ただし、カン・ユジョン大統領室報道官はこの日の会見で、今回の事案に対して「検察は法務部所属組織で、人事権も法務部にある」とし、「法務部に判断を聞かなければならない」と述べた。大統領室が直接関与していないことを強調するためとみられる。
法曹界の一部では、このような案に対して否定的な見方もある。法務部公館出身のある法曹人は「ノ・マンソク代行が明確な基準なしに(大庄洞事件について)控訴放棄を決め、控訴すべきだと長官を説得した様子も見られない。組織構成員としては『一体どういうことなのか』と思ったのだろう」とし、「(総長代行に釈明を要求した) 検事たちの団体行動に法務部が注意程度を与えることはできるが、懲戒レベルの人事異動などは無理だ」と話した。