熱帯の海に住む絶滅危惧種のマンタ(オニイトマキエイ)が韓国の済州(チェジュ)の海で捕獲された。
9日、済州大学とモスル浦(モスルポ)水協によると、前日未明、馬羅島(マラド)沖でサバやアジを狙って仕掛けられていた刺し網にマンタがかかった。巨大な胸ビレを広げて泳ぐマンタは「海のじゅうたん」と呼ばれる大型の軟骨魚類だ。マンタは船主によってモスル浦水協を通じて済州大学海洋科学部に寄贈された。
済州大学が測定したところ、マンタの両ヒレの間の幅は198センチ、尻尾の付け根から頭の先までの長さは106センチ。重さは実測する装置がないため正確には測れなかったが、100キロを超えると推定される。
2年前にも熱帯魚種のマンタが済州の海で遊泳する様子が観察されているが、今回のように捕らえられるのは異例だという。済州大学海洋生命科学科のキム・ビョンフン博士は「マンタは赤道に沿って移動しているうちに、熱帯化で温度の上がった韓国の海までやって来たようだ」として、「韓国では簡単には確認できない種であるうえ、気候変動で済州の海に新たな種が出現しているため、今後の研究のために冷凍した」と語った。
済州沿岸には例年より8日早い今月3日から、高水温注意報が発表されている。高水温注意報は海域の水温が摂氏25度に達すると予想された際に発表されるが、7日に済州沿岸の平均表層水温は摂氏27.1度を記録している。