内乱特検法、殉職海兵隊員C上等兵特検法、尹錫悦前大統領夫人キム・ゴンヒ特検法が5日、国会本会議で可決され、「3特検法」の同時稼動が現実化した。3つの特別検察官に派遣可能な検事の数だけで、最大120人。今後、特別検察官の推薦および指名手続きも速やかに進められることを考えると、7月初めから尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領夫妻を対象にした大規模な特検捜査が本格的に始まるものとみられる。
2008年1月当時、李明博(イ・ミョンバク)次期大統領の各種不正疑惑を捜査する特検とサムスングループの裏金関連の特検が約2カ月にわたり同時に進められたが、3つの特検の同時捜査は前例のないことだ。尹錫悦前大統領は就任時代、国会本会議で可決されたC上等兵特検法とキム・ゴンヒ特検法に対して3回ずつ拒否権を行使しており、これによって真相究明が相次いで見送られたためだ。 結局、李在明(イ・ジェミョン)政権が発足してから、ようやく内乱特検まで一気に発足することになった。
3つの特検法が定めた特別検察官任命手続きによると、法案公布後、国会議長が大統領に特別検察官の任命を要請(2日以内)→大統領が共に民主党と祖国革新党に候補推薦を依頼(2日または3日以内)→共に民主党などが大統領に候補を推薦(3日または5日以内)→大統領が特別検察官を任命(3日以内)の順で行われる。候補推薦から指名まで最長12日かかる。特検法の公布が10日の国務会議で議決され、推薦・指名手続きが速やかに進められる可能性が非常に高いことを考えると、今月中旬までに特別検察官の指名手続きが終わる可能性がある。特別検察官が指名されてから、最長20日間の準備期間が終わると、7月初めから捜査に着手できる。
法曹界の内外では、特大級の特検チームの構成は容易ではないという見通しも示されている。3つの特検に派遣される検事の最大の人数を見ると、内乱特検60人、キム・ゴンヒ特検40人、C上等兵特検20人で、計120人だ。今年の検事定員法施行令の定員基準で約110人の仁川(インチョン)地検や、114人の水原(スウォン)地検くらいの規模が特検チームに集まる。この前の特検チームだったチェ・スンシル国政壟断捜査チームに派遣された検事は20人だった。特別捜査官と派遣公務員の規模も3つの特検を合わせると440人(特別捜査官220人、派遣公務員220人)だが、規模が大きすぎて定員を満たせずに発足するのではないかという懸念の声もあがっている。刑事事件の経験が豊富な弁護士は、「特検捜査の範囲もあまりにも多いうえ、政治的負担も大きいため、特検チームに行ける人は多くないかもしれない」と語った。国政壟断特検捜査に参加したチョン・ミニョン弁護士は「特検に有能な人材がどれだけ集まるかによって(捜査の)成否が分かれるだろう」とし、「3つの特検の主な捜査対象は共通して尹前大統領であり、押収の対象や場所も重なる可能性が高い。このような問題をどれだけ効率的に解決し、捜査に拍車をかけるかも重要だ」と話した。