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大統領秘書室長「尹大統領を麻薬ギャングのように追い詰めている」

登録:2025-01-14 10:05 修正:2025-01-14 22:36
国民に訴え 
「不拘束が原則」 
「手錠をかけることが大韓民国にふさわしいのか」
尹錫悦大統領が2024年4月22日、ソウル龍山の大統領室庁舎で行われた人事ブリーフィングで、新たに大統領秘書室長に任命された国民の力のチョン・ジンソク議員を紹介している/聯合ニュース

 チョン・ジンソク大統領秘書室長が14日、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)による尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の逮捕状の執行について、「自由民主主義共和国の市民なら誰もが享受できる自己防衛権を保障してほしい」として、「第3の場所での取り調べ」や「訪問調査」が可能だと述べた。

 チョン室長は14日朝、大統領秘書室長の名義で発表した「国民に対する訴え」で、「公捜処と警察、国家捜査本部が攻城戦の準備を終えた。いつでも城壁を破壊し、漢南洞(ハンナムドン)の官邸に孤立している尹錫悦大統領に手錠をかけて引きずり出そうとしている」として、上のように述べた。

 チョン室長は、逮捕状の再執行では大規模な人員を投入すると表明している公捜処と警察に対し、「職務が中止されているといっても、依然として国家元首であり最高憲法機関である尹錫悦大統領を、まるで南米の麻薬ギャングのように追い詰めている」と遺憾を表明した。そして「尹錫悦大統領が手錠をかけられ、捜査官に引きずられて漢南洞の官邸を出ることが、2025年の大韓民国にふさわしいのか」として、「公捜処と警察の目的は本当に捜査なのか、それとも大統領に恥をかかせることか」と述べ、尹大統領側、与党、漢南洞の官邸前の強硬支持層などの最近の主張を繰り返した。尹大統領の置かれた境遇を、他人の助けを受けられない孤独な事情や状況を意味する四字熟語「孤城落日」と表現してもいる。

 チョン室長は「事実をごまかす党派的な扇動、捜査機関の暴圧で、自然人尹錫悦の口を塞いではならない」として、「大統領が自らの防御権を十分に発揮し、自らの立場を説明できるよう保障しなければならない」と「大統領の防御権」を繰り返し強調した。「尹錫悦大統領に特例を与えてほしいと要求しているのではない」、「大統領だけでなく韓国国民の誰にでも公平に保障されるべき権利」だとも述べた。

 そして「大統領室は警察、公捜処と協議する用意がある」として、「大統領に対する第3の場所での取り調べ、または訪問調査などをすべて検討しうる」と「仲裁案」を提示した。

 しかし、3回にわたって捜査機関の調査に応じず、裁判所が発行した令状を妨害した尹大統領と大統領警護処については語っていない。大統領権限代行の業務を補佐すべき大統領室が、弾劾で職務が停止された尹大統領を代弁して仲裁案を提示したことも、物議を醸す見通しだ。

 チョン室長は野党に矛先を向けてもいる。共に民主党のイ・ジェミョン代表を標的としたかのように、「刑事訴訟法はすべての容疑者が不拘束状態で捜査を受けることを原則として明示している」として、「野党の有力政治家はこういった司法体系を巧妙に利用して裁判を限りなく遅延させている。国会議員職を維持し、司法処理を免れている」と述べた。

 チョン室長は、「最も憂慮されるのは、警察の兵力と警護処の警護員との衝突の可能性だ。国家機関同士が衝突すると、仲裁も調整もできない」として、前日の警察と警護処に対する「物理的出動はしないでほしい」というチェ・サンモク大統領権限代行副首相兼企画財政部長官の指示に言及した。そして、「警察と警護処は、行政府の首班であるチェ・サンモク大統領権限代行の指針と指揮に従うべきだ」と述べた。

イ・スンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1177734.html韓国語原文入力:2025-01-14 07:30
訳D.K

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