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韓国野党のイ・ジェミョン代表に無罪判決…民主党、改めて対与党闘争へ

登録:2024-11-26 10:00 修正:2024-11-26 10:37
共に民主党のイ・ジェミョン代表が25日午後、ソウル瑞草区のソウル中央地裁で開かれた偽証教唆の一審判決で無罪を言い渡された後、裁判所を出て取材陣の前で考えを述べている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 「検事詐称事件」関連の裁判で元城南(ソンナム)市長の随行秘書に偽証を要求した疑いで起訴された共に民主党のイ・ジェミョン代表は、25日の一審で無罪を言い渡された。「検察独裁政権の強引な政治起訴」と反発してきたイ代表は無罪宣告後、「真実と正義を取り戻した裁判所に感謝する」と述べた。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権に向けては「殺す政治よりも、人を生かす政治をしよう」という言葉を残した。この前に公職選挙法関連裁判の一審で「議員職喪失」にあたる刑を宣告され政治生命が危うくなったイ代表は、今回の無罪宣告でひと息ついた。検察は無罪判決を受け、直ちに控訴すると表明した。

 ソウル中央地裁刑事33部(キム・ドンヒョン裁判長)は同日、偽証教唆の疑いで起訴されていたイ代表を無罪とした。裁判所は、イ代表が過去にキム・ビョンリャン元城南市長の随行秘書であるキム・ジンソン氏に要請した内容が「通常の証言要請と大きな違いはない。教唆の故意があるとみることもできない」と判断した。裁判所は「自分が必要とする証言に関して言及したからといって、偽証を要求したとはみなしがたい。被告人として行使できる防御権の程度を超えたとは考えられない」と述べた。ただし裁判所は、共に起訴されたキム氏の偽証の疑いについては一部認め、罰金500万ウォンを宣告した。

25日午後、ソウル瑞草区のソウル中央地裁で開かれた偽証教唆の一審で無罪判決を受けたイ・ジェミョン代表が裁判所を出た後、地裁を訪れた共に民主党の議員らが抱擁しあっている=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 偽証教唆事件の始まりは、イ代表が弁護士をしていた22年前に遡る。2002年、イ代表は「盆唐(プンダン)パークビュー特恵分譲事件」で、当時のキム・ビョンリャン城南市長を取材していた韓国放送(KBS)のPDとともに検事を詐称し、キム市長から特定の回答を得たことが問題になり、2004年12月に罰金150万ウォンが確定した。事件が再び水面上に浮上したのは、2018年にイ代表が京畿道知事選挙に出馬してからだ。当時、候補のテレビ討論会でこの事件が取り上げられると、イ代表は「PDが詐称したが、私がそばでインタビュー中だったので助けたという濡れ衣を着せられた」と述べ、虚偽事実公表の疑いで起訴された。最高裁で無罪判決を受け、終結すると思われたこの事件は、栢ヒョン洞(ペクヒョンドン)の事業を捜査していた検察が開発事業者だったキム・ジンソン氏の携帯電話からイ代表との通話を発見したことで蒸し返された。検察は、イ代表が当時裁判の証人だったキム氏に対し「キム元市長とKBSの間で私を検事詐称事件の主犯に追い込むための打ち合わせがあった」という趣旨の偽証を要求したとし、昨年10月にイ代表を偽証教唆の疑いで起訴した。

 イ代表は無罪判決直後、「過程は実に険しく長いが、『滄海一粟』(広大な海の中の一粒の粟という意味で、取るに足らない小さいことのたとえ)だ。私が経験する困難は国民たちの経験する困難と苦痛に比べれば微々たるものだと思う」と述べた。それと共に「今後も国民のより良い暮らしのために最善を尽くす。『殺す政治よりも人を生かす政治をしましょう』と政府与党に言いたい」と語った。

 この日、イ代表の無罪判決後、民主党の最高委員らは懇談会を開き「何ごとも結局正しい位置に戻ってくるという判決だった」と口をそろえた。チョ・スンレ首席報道官は懇談会後、「そもそも話にならない、無理な起訴だった」とし、「大韓民国の憲政史で大統領選の相手候補をこれほどひどく弾圧した政権はなかった。尹錫悦大統領は今からでも野党に対する弾圧捜査をやめ、政治を元に戻してほしい」と述べた。

 親イ・ジェミョン派(新ミョン派)は、イ代表の選挙法裁判の重刑宣告で戦列が乱れた対与党闘争の手綱を再び引き締めていくというムードだ。尹錫悦大統領夫妻の「候補公認介入疑惑」などで守勢に追い込まれた大統領と政府与党をさらに強く追い詰めるということだ。この日、新ミョン派の外郭組織であるザ・民主革新会議は声明で「組織の安危と立身のために政権の好みに合わせて刀を振り回す非道な政治検察組織を必ず断罪する」とし、「崩れた大韓民国の正義を正すことの先頭に立つ」と明らかにした。第1次の激突の舞台は、28日の本会議で行われるキム・ゴンヒ特検法再議の表決になるものとみられる。民主党は与党の離脱票を誘導するための院内圧迫に続き、否決状況を仮定した場外世論戦の準備にも拍車をかける態勢だ。

 ただし、党とは別にイ代表としては「闘争一辺倒」から抜け出し「民生(国民の暮らし)改善」に重心を置く可能性が大きい。早ければ来春にある公職選挙法の控訴審判決を控え、不必要な「裁判所圧迫」批判にさらされる理由がないためだ。「議題と戦略グループ:ザ・モア」のユン・テゴン政治分析室長は「今日、イ代表は判決後に第一声で民生について触れたため、年末年始までは民生を最優先とするのではないか」と述べた。

 一方、ソウル中央地検はこの日、「被告キム・ジンソンに有罪を認めながらも、被告イ・ジェミョンに偽証教唆の犯意がないとみて無罪を宣告したことは、法理と証拠関係に照らして納得しがたい」とし、「判決文を綿密に検討して控訴し、控訴審で有罪立証に最善を尽くす」と公示した。

オム・ジウォン、チャン・ヒョンウン記者umkija@hani.co.kr(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1169171.html韓国語原文入力:2024-11-25 23:32
訳C.M

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