尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は7日、韓国水力原子力のチェコ原発安値受注問題について「原発2基を24兆ウォンで受注したことを安値と言うなら、無知すぎる」と反論した。
尹大統領はこの日午前、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領室ブリーフィングルームでおこなった記者会見で、「チェコ原発が安値で受注された、また不当な金融支援を約束したという疑惑がある」と問われ、「話にならない」としてこのように述べた。チェコ政府に対する金融支援疑惑についても、「チェコ側に約束したものもないし、チェコが自国の経済規模に比べて無理に推進するものではないため、過度な金融支援が出てくることはありえない」と語った。
尹大統領はまた、韓水原と米ウェスティングハウスとの知的財産権紛争についても、「米政府と韓国政府の間で合意も順調に進み、MOU(了解覚書)も仮署名された」とし、「うまくいくと確信している」と強調した。
尹大統領のこのような主張とは異なり、チェコへの原発輸出の収益性はきちんと検証されていない。また、ウェスティングハウスの知識財産権についても、紛争が解決されても事業全体の収益性を損ねる結論が出る可能性もある。尹大統領は韓米両政府の交わすMOUがすべてを解決するかのように語るが、産業通商資源部は、輸出規制・協力についての政府間のMOUであり、すでに起きた企業間紛争の解決とは「直接的な関係のない、予防の観点」からのものだと述べている。
チェコ政府は今年7月、ドコバニ原発の追加建設事業の優先交渉対象者として韓水原を選定し、来年3月までに最終契約を結ぶことを決定。入札競争で敗れた米ウェスティングハウスとフランス電力公社は、優先交渉対象者の選定後、それぞれチェコの反独占当局に異議を申し立てている。ウェスティングハウスは、韓水原がAPR1000および1400型原子炉で許可なしに自社の技術を使用したと問題提起している。