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「放送掌握の宣戦布告」…尹大統領、放通委員長に「MBC労組弾圧」した人物を指名

登録:2024-07-05 06:12 修正:2024-07-05 11:23
イ・ジンスク新放送通信委員長候補が4日午前、ソウル龍山の大統領室庁舎ブリーフィング室で開かれた人事会見に出席し、感想を述べている/聯合ニュース

 4日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は放送通信委員長候補に大統領選挙キャンプのマスコミ特別補佐官出身のイ・ジンスク前大田(テジョン)文化放送社長(63)を指名した。2日前、前職のキム・ホンイル放送通信委員長は野党による弾劾訴追案の国会本会議報告直前に辞任した。野党とマスコミ団体は「放送掌握に向けた国民への宣戦布告」だとして反発した。

 チョン・ジンソク大統領秘書室長は同日、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領室で行った会見で、尹大統領のイ候補指名の事実を伝え、「放送通信委員会の運営を正常化し、メディアの公正性と公共性を確保することで、放送に対する国民の信頼を回復する適任者だ」と述べた。

 イ候補は指名について、尹大統領の暴言関連報道と清潭洞(チョンダムドン)酒席に関する報道を取り上げ、「政府が放送を掌握していたとしたら、このような報道や記事が可能だっただろうか」とし、「放送が(社会の)公器ではなく凶器と呼ばれている。近い将来、MBC(文化放送)、KBS(韓国放送)、EBS(教育放送)など公共放送の理事の任期が終わる。当然、新たな理事を選任しなければならない」と述べた。

 MBC記者出身のイ候補は、李明博(イ・ミョンバク)政権時代、MBC広報局長と企画広報本部長を務め、MBC民営化の密室推進、労組弾圧と関連した疑惑を持たれている。朴槿恵(パク・クネ)政権時代の2014年には、報道本部長と大田MBC代表理事を務め、退職後の2019年には自由韓国党(国民の力の前身)に入党した。2021年8月には、大統領選を控え尹錫悦候補キャンプにマスコミ特別補佐官として合流し、市民社会総括本部の報道担当を務めた。特にイ候補は昨年6月、5・18光州(クァンジュ)民主化運動を「暴徒の宣伝扇動」と主張する投稿に「いいね」を押し、極右派のコメントに共感を示したこともあり、議論を呼ぶものとみられる。

 野党とマスコミ団体はイ候補の任命が尹錫悦政権の「公共放送・MBC掌握用」の人事だとし、指名撤回を求めた。

 共に民主党のノ・ジョンミョン院内報道担当は「放送掌握を続けるという国民への宣戦布告に他ならない」と論評した。国会科学技術情報放送通信委員会に所属する民主党および祖国革新党の議員らは、緊急声明を発表し「尹大統領がイ候補の指名を撤回せず任命を強行するなら、(イ候補は今後)弾劾の対象になりうる」と述べた。報道機関労組と放送記者連合会などマスコミ7団体も「不適格者であり民営化技術者のイ・ジンスク氏を前面に出し、言論弾圧、放送掌握を止めないという意地を明確に示している」と批判した。

 尹大統領はこの日、イ候補のほかに、新金融委員長候補にキム・ビョンファン企画財政部第1次官(53)を、環境部長官候補にキム・ワンソプ前企画財政部第2次官(56)を指名した。

イ・スンジュン、パク・カンス、イム・ジェウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1147784.html韓国語原文入力:2024-07-04 22:44
訳H.J

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