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「米医師試験の問い合わせも7倍」…辞職した専攻医、病院に就職できるのか=韓国

登録:2024-03-09 09:02 修正:2024-03-10 12:10
7日、ソウル市内のある大学病院の病棟入口に病棟閉鎖の案内文が貼られている。専攻医の集団辞職が続き、主な病院は病棟を縮小運営したり残った職員から無給休暇申請を受けつけ、事態の長期化に備えている/聯合ニュース

 政府の医学部増員方針に反発する専攻医の集団辞職問題が長期化するなか、専攻医の一部からは、海外での医師免許取得や一般病院・クリニックへの就職など、辞職後を準備する兆候まで出てきている。海外での医師免許取得などの一部のルートの場合、原則的には不可能ではないが、現実的には少なからぬ困難を伴うだろうという見方が多い。

 海外での医師資格取得の場合、通常は米国や日本に行くことを選ぶのが一般的だ。国内に比べて研修環境が良く、医療水準が高く、相対的に言語の壁が低いためだ。米国の医師免許試験の専門家であるGMESコンサルティングのチャン・ジュンヒ代表は7日、ハンギョレに「専攻医の辞職の動きをきっかけに、関連の問い合わせが6~7倍ほど増えた」としたうえで、「もともと米国の医師資格試験に関心を持つ医師は多かったが、政府の医学部増員方針が一種の起爆剤になった」と述べた。

専攻医の離脱によって医療空白が続いている7日、閉鎖された光州東区の全南大学病院の泌尿器科病棟/聯合ニュース

 政府は「免許停止履歴」が専攻医の海外就労に影響を及ぼすとみているが、影響は大きくはないだろうという説明も多い。米国と日本ではいずれも、韓国の医学部の正規の教育過程を履修した後、該当国の免許試験を通過すれば、医師として仕事ができる。米国医師免許試験(USMLE)を受験するには、外国医学部卒業者教育委員会(ECFMG)が認証した医学部を卒業しなければならないが、韓国の医学部はすべてそれに該当する。日本医師国家試験(JMLE)も、外国で医学部を卒業したり医師免許を取得した人に受験資格を付与する。日本は書類選考過程で医師免許の写本を要求するが、免許停止の履歴は表記されないという。

 ただし、現実的には、これらの医師免許試験を準備するためには数年の時間を要し、その前に兵役問題も解決しなければならないため、容易には海外行きを選択することは難しいだろうという観測もある。徴兵未完了の専攻医は、研修過程を終えた後に軍医官として入隊することを条件に兵役を延期されているが、「研修中断時」は早期に入営しなければならない。

 一方では、現時点でも専攻医のうちの一部からは、一般病院やクリニックへの求職を試みる動きも感知されている。ソウル市医師会が最近になりウェブサイトに開設した求人・求職掲示板には、自身を「辞職専攻医」と明記して求職を望むという投稿が複数掲載されている。

 しかし、政府は、これを「規定違反」みなし懲戒するという立場だ。「専攻医の研修および資格認定などに関する規定」(第14条)上、辞表が受理されなかった専攻医は、研修病院以外の医療機関への就職や開院はできないためだ。これに先立ち、政府は先月7日、専攻医の集団辞職が始まる前、各研修病院に「集団辞表受理禁止」を命じている。

 これに対して専攻医は、民法660条に基づき、辞表を提出してから1カ月が経過すれば自動で「辞職効力」が発生するとして対抗しているが、この条項は「雇用期間の約定がない労働者」に限られている。研修期間が定められている専攻医には適用されない可能性が高い。

シム・ウサム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1131316.html韓国語原文入力:2024-03-08 00:24
訳M.S

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