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専攻医の消えた病院、PA看護師に縫合・心肺蘇生・薬物投与を許可=韓国

登録:2024-03-08 06:40 修正:2024-03-08 07:50
大韓医師協会、「違法医療行為の陽性化、質の低い違法医療が横行する」と反発
ソウルのある大学病院の専攻医専用スペースの様子/聯合ニュース

 韓国で専攻医の集団行動の長期化に伴い、政府はPA(診療補助)看護師を全面活用し、前日の国務会議で議決された予備費1285億ウォン(約143億円)に続き、健康保険財政から毎月最大1882億ウォン(約209億5千万円)を投入することにした。医療空白が長引く可能性があるという判断から、非常医療対策を強化したということだ。

 保健福祉部は7日「看護師業務関連モデル事業の補完指針」を報告し、8日から施行すると発表した。2月27日から開始したモデル事業以降、医師と看護師間の不明確な業務範囲(98行為)を明確にした。

 具体的には、看護師を熟練度によって専門看護師と専担看護師(仮称)、一般看護師に分けて可能な業務を区分した。最大2万人と推算されるPA看護師は専担看護師に当たるが、彼らが法的負担なしに医療行為ができるようにしたわけだ。気管挿管など専門看護師の業務を除き、手術補助、手術部位の縫合などをはじめ、心肺蘇生法や応急薬物の投与などができるようにする一方、最終的な法的責任は医療機関長が負うようにした。PA看護師の業務範囲が初めて明確になったことで、今後の制度化につながる可能性があるものとみられる。これに対し、大韓医師協会(医協)側は「PA(看護師)による違法医療行為が認められれば、質の低い違法医療が横行する」と反発した。

 政府はまた、健康保険財政を月1882億ウォンまで投入し、補償を増やす計画だ。専攻医が離脱した上級総合病院が重症患者を中心に積極的に診療するよう、重症患者の入院に対して事後補償を推進し、軽症患者を下級病院に送る際に与える補償もすでにこれまでより30%引き上げた状態だが、さらに50%まで上げることにした。さらに、大学病院など上級総合病院で診療を受けるためには、2次病院(総合病院級で病床30床以上、診療科目が4つ以上の医療機関)での診療を義務付ける案も検討することにした。

 一方、この日も医学部の学長らの辞任が相次いだ。カトリック大学医学部と慶北大学医学部の学長団の教授らは医学部増員に反発し、辞任の意思を明らかにした。前日には、慶尚国立大学医学部の学長団が補職辞任した。

イム・ジェヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1131396.html韓国語原文入力:2024-03-07 23:14
訳H.J

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