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街頭に出た医師ら「政府が2千人増員を貫けば、さらに離脱」=韓国

登録:2024-03-04 06:07 修正:2024-03-04 09:23
医師協会、汝矣島で大規模集会
3日午後、ソウル永登浦区汝矣島公園前で開かれた全国医師総決起集会に参加した医師たちが、韓国政府の医学部増員政策に反対するプラカードを持っている。同日、大韓医師協会は全国から医師3万人が集まったと発表した=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

 「政府は必須医療を行き届かせるためと言っているが、その思惑は医療改革ではなく、目前に迫った総選挙を狙った支持率上昇だ」

 (現場を離脱してから)復帰しない専攻医に対する韓国政府の行政処分と告発などの手続き開始を翌日に控えた3日、大韓医師協会非常対策委員会(医協非常対策委)がソウル永登浦区汝矣島(ヨイド)公園一帯で大規模な集会を開いた。主催者側の推算で約4万人(警察推算1万人)が集まったが、医師会員と医学部生はもちろん、医学部生の子どもを持つ保護者なども集会に参加した。

 マイクを握った大韓救急医学医師会のイ・ヒョンミン会長は、政府の医学部定員増員方針の問題点を指摘し、「『救急救命センターのたらい回し』、『小児科開院前から行列』は、医師不足で生じた問題ではない。このような問題を解決するために、医師が病院のインフラを構築するように持続的に求めてきたが、政府は傍観してきた」と批判した。それと共に「なぜ突然医学部定員2000人を増やさなければならないのか。これは政治的思惑であって、国民のための政策ではない」と指摘した。

 この日の参加者たちは白い文字で「原点(に立ち戻って)見直し」、「医学部増員×」と書かれた黒いマスクを着用し、「非科学的な需要調査を廃棄せよ」、「しっかりとした準備なしの医学部増員で医学教育が損なわれる」など、政府の医学部定員拡大に反対する内容のプラカードを掲げた。集会に参加するために光州(クァンジュ)、全羅南道、大邱(テグ)、仁川(インチョン)、江原道、全羅北道、慶尚北道、慶尚南道、忠清北道など全国16の市道支会から貸切バスで上京した。警察は集会秩序維持のために3300人余りを投入した。

 アピールを行った人たちは、政府の医学部増員は現在の必須医療人材不足問題を解決できず、むしろ医療の質を低下させると指摘した。韓国女子医師会のホン・スンウォン次期会長は「単純に医師数を増やすのではなく、医療人材をきちんと育成し、人材をうまく分配することが重要だ」とし、「量的な膨張は医療サービスの質の低下につながる」と批判した。

 大韓開院医協会のキム・ドンソク会長は「(医学部増員は)必須医療を行き届かせるためではなく、医療システムを台無しにするだろう」とし、「問題は医師が不足しているのではなく、数億ウォンの賠償判決で専攻医が一生懸命勉強してきた専攻診療を放棄せざるを得ないことにある」と語った。大韓医師協会のキム・テグ非常対策委員長は「政府に国民の不便と不安を解決する意志があるならば、専攻医を含め非常対策委員会と条件なしに対話に出て解決策を探さなければならない」と話した。

 医協非常対策委員会は、政府の行政処分などの措置後も立場を変えるつもりはないと強調した。医協非常対策委員会のチュ・スホ広報委員長は集会に先立ち記者団に「医学部生と専攻医の保護者たちが自発的に多く集まった」とし、「今日のこの行事は医師たち全体の意志の表現だ。今度は政府が答える番だ」と述べた。それと共に「政府の今後の対応を見て私たちも対応を決める方針」だとし、「しかし私たちが考えた道から経路離脱することはないだろう。政府が『2000人増員』を固守すれば、専攻医や医学部生が医師(になる道を)を一気に放棄するかもしれない。必須医療を担当する医師たちの離脱がさらに増えるだろう」と述べた。

3日午後、ソウル永登浦区の汝矣島公園前で、政府の医学部増員政策に反対する医師らが集まり、全国医師総決起集会を開いている。同日、大韓医師協会は全国から医師3万人が集まったと発表した=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社
クァク・チンサン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1130696.html韓国語原文入力:2024-03-03 23:11
訳H.J

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